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猛虎の日本一支えたテールスープ 岡田彰布さん

食の履歴書

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NIKKEI STYLE

猛虎打線の一角として1985年の阪神タイガース初の日本一に貢献。監督としても2005年に阪神優勝に導く。座右の銘は「道一筋」。食についても頑なで、オムライス、テールスープは勝負強さの礎だった。

大学で初めて知ったカルビの味

子供のころから外食といえば焼き肉だった。大阪で商売を営んでいた父は軟式野球チームを作っていた。小学3年生から大人に混じって所属、投手をしていた。もちろん百何十キロの速球など投げられる訳がなく、相手バッターに打たれたら、大人の味方の野手の人にしっかり守ってもらう、という感じだったが。

試合や練習後の打ち上げといっては、父のなじみの焼肉店にみんなで連れだって行き、腹いっぱい肉を食べた。だが、不思議とカルビを口にした記憶がない。その店のメニューにはあったのかもしれないが、いつもタンとハラミばかり食べていた。

カルビのことを知ったのは早稲田大学に入ってからだ。厳しい練習でクタクタになると、肉が食べたくなる。新入生として入寮すると、よく先輩に夜食用の肉を近所の焼肉屋に買いに走らされた。店のオヤジさんも心得たもので、何も言わなくても結構な量の肉を持たせてくれた。おそらく商売抜きにサービスしてくれていたのではないか。

初めて食べたカルビはうまかった。油っぽいものも、若いからガツガツ食べられる。やはり肉はスポーツ選手のエネルギー源。何かといえば、焼き肉ばかり食べていた。

80年に小さい頃から憧れていた阪神に入団した。プロになってからも、他の選手や打撃投手ら裏方さんと食事に行くときは、やはり焼き肉が多い。だが、新人時代の「勝負飯は何か」と問われれば、肉ではない。それは当時、甲子園球場の隣にあった選手寮「虎風荘」のオムライスだ。

新人王はオムライスパワーのおかげ

小さい頃から卵好きで、入寮後、間もなくしてオムライスを注文した。口にしたら、これがうまい。卵がドロッとした今風のものとは違い、寮のはケチャップライスを、しっかり焼いた薄焼き卵で包んだ昔ながらのオムライス。なぜか自分の味覚にピタリと合った。毎日のように特注で昼食用にオムライスを作ってもらい、それを食べてから甲子園球場に行っていた。

その年の7月に西宮球場で開催されたオールスターゲーム第1戦。新人ながら選出された私は、当時の球宴最年少記録となる代打本塁打を日本ハムの間柴投手から打つことができた。このときも、おそらく球場入りする前にオムライスを食べていた。この年、打率2割9分、18本塁打で新人王に輝いたのもオムライスパワーがあったからこそだ。

野球は勝負事だからやっぱり験を担ぐ。開幕日など節目節目のときはタイの尾頭付きなど縁起の良いとされるものを食べていた。もう一つ験担ぎの意味で食べていたのが、焼肉店で出されるテールスープだ。牛の尻尾を煮込んだスープはコラーゲンたっぷりで栄養満点。ある年、キャンプインの前に食べたら、シーズンの成績が良かった。

それからというもの、キャンプインの前には必ずテールスープを口にした。夏場でスタミナが落ちてきたと感じたら、また食べる。すると不思議とパワーが湧いてくる気がした。阪神が初の日本一となった1985年。8月に月間打率4割2分9厘と打ちまくったが、これはテールスープ効果もあったのではないか。

テールスープには現役を引退し、監督になってからも救われた。阪神を率いてセ・リーグ制覇した2005年。8月下旬に3連敗し、失速しそうになっていたが、そんなときに甲子園球場に差し入れされたのがテールスープだ。これをみんなで食べたら再び上昇気流に乗り、優勝まで一気に突き進むことができた。

験担ぎ食べなかったタコ

食で苦い思い出もある。現役だった阪神時代のこと。あるとき明石でタコづくしの料理をご馳走になったことがある。野球で無安打なことを「タコ」というが、見事に翌日から15打席ぐらいノーヒット。さんざんな目に遭った。

「野球選手にタコはあかん。二度とゴメンだ」と思ったが、94年にオリックスに移籍した後、チームメートに明石焼きを食べに連れて行ってもらった。大阪名物のたこ焼きとは違ってフワッとした食感が新鮮。「タコは禁止」と心に誓ったことも忘れて、思わずたくさん食べた。幸いなことに、阪神時代のようなスランプに陥ることはなく、その日以来、明石焼きは好物の一つになっている。

試合終わりに焼き肉

甲子園球場から徒歩数分の焼肉店「古都園」がお気に入りだ。阪神監督時代には「試合が終わったと思ったら、まだヒーローインタビューなど、ナイター中継が続いているのに、もう店に来ていたこともあった」と店主の木村省吾さんは話す。

上ハラミ(1500円)と上塩タン(1700円)にテッチャン(800円)を焼きながらビールや焼酎を飲み、テールスープ(2日前までの予約制。1000円)を締めに食べるのが岡田さんの定番コースの一つ。5時間ぐらいじっくり煮込んだ同店のテールスープは「白濁せず透き通っていて、あっさり味なのが特徴」と木村さん自慢の一品。

岡田さんだけでなく、阪神や他球団の選手も訪れることもあり、店内にはそうした選手たちの写真も飾られている。

最後の晩餐

野球の現場を離れ、解説者になってストレスがなくなり、何でも食べられる。年を重ねるうちに、肉だけでなく、あっさりしたものも好きになってきた。親父がよく食べていた湯豆腐とササガレイかな。京都にでも行って、のんびりと食べたい。

(鉄村和之)

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