「何様のつもり」はなぜ猛威を振るうのか榎本博明著 「『上から目線』の構造<完全版>」

アドバイスした部下に「上から目線がムカつきます」と言われかねない時代。読めば、なぜそうなるかが分かる
アドバイスした部下に「上から目線がムカつきます」と言われかねない時代。読めば、なぜそうなるかが分かる

交流サイト(SNS)などインターネット上で批判が集中する炎上トラブルは後を絶たないが、その原因のひとつが「上から目線」と受け取られた発言に対する「何様のつもりか」という反発だ。近年では、仕事の場で上司の指導を受けた部下が「その上から目線がムカつく」と逆ギレするようなケースまであるという。今回の書籍「『上から目線』の構造<完全版>」は、上から目線に過敏な人が増える社会の現状と心理構造を解き明かし、人間関係のもつれを解きほぐす知恵を示す。

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榎本博明氏

著者の榎本博明さんは1955年生まれ。東京大学教育心理学科を卒業後、東芝に入って市場調査を担当しました。その後、東京都立大学大学院で心理学などを学び、大阪大学大学院助教授などを務めました。現在はMP人間科学研究所の代表として、職場や家庭の人間関係に心理学を生かす講演や研修などに携わっています。近著に「かかわると面倒くさい人」(日本経済新聞出版社)があります。今回の書籍は、2011年に出版した同名の本に、その後の世の中の動きを加え、<完全版>として文庫にしたものです。

何でも「させていただく」になるメカニズム

著者は、最初の出版から7年足らずの間に「『上から目線』に対する感受性はますます過敏さを増し」「自分が『上から目線』にならないようにと気をつかう傾向も強まっている」と述べます。

このところ気になるのが、「させていただく」「していただく」といった表現の多用だ。
テレビのインタビューでも、スポーツ選手が「この競技をしていて……」でよいのに、「この競技をやらせていただいて……」などと言う。企業経営者も、「この度、出店しまして……」でよいのに、「この度、出店させていただきまして……」などと言う。当然、べつに視聴者が出店させてあげているわけではない。
(文庫版まえがき 猛威を振るう「上から目線」3ページ)
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