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ゴビ砂漠から銘醸級ワイン輸入 元パリ駐在員の挑戦

2018/7/5

雄大な風景が広がるゴビ砂漠にある中国の注目ワイナリー、天塞酒庄(テンサイヴィンヤード)

 今年1月、中国北西部に広がるゴビ砂漠のワイナリー、天塞酒庄(テンサイヴィンヤード)から、初めてワインが日本に向け出荷された。輸入を手がけるのは、石川県のインポーター、こあらや。「日本だけでなく国外への初めての輸出ということで、『ゴビ砂漠からワインが海外に出る』という証明書までもらいました」と社長の石川哲生さんは目を丸くする。

 ワイナリーのあるエリアは、砂漠といっても、よくイメージするような砂丘のある風景ではなく、ごろごろとした石や砂に覆われた土地。そこに広がるワイナリーは、四方を赤茶けた山肌がむき出しになった山に囲まれている。映画のワンシーンを思わせる迫力ある風景だ。

 砂漠でワイン作りというと不思議な気がするが、土壌には石灰分の多い石が大量に含まれ、適度なミネラル感のあるワインができる。また、天塞酒庄には周囲の山の伏流水が流れてくるので、その水でブドウが育つのだ。周辺には、同社のほかに10数ものワイナリーがあり中国でも注目の生産地らしい。冬には気温が氷点下数十度にまで下がるという厳しい自然環境だが、冬期はブドウの樹を砂で覆いダメージを防止するという。

ゴビ砂漠にワイナリーを構える中国の天塞酒庄の赤ワイン 写真はマセランという中国の地場品種を使ったもの

 石川さんが天塞酒庄のワインに出合ったのは、2016年11月。上海で開催されたワイン見本市「プロヴァイン・チャイナ」でのことだ。「中国ワインってこんなにおいしかったっけ」――各国のワインに混じって中国ワインのブースを見かけた石川さんは、同社のワインを飲んで驚いた。200~250のワイナリーがあるとも言われ、今や世界有数のワイン生産国である中国だが、輸入を手がけたいほどクオリティーが高いワインに出合ったことがなかったからだ。

「ところが、天塞酒庄のワインは、バランスのいい酸があって食事に合うフランスのワインそっくりでした。価格は安くないけれど、日本には中国料理のレストランがたくさんありますから、そうした店にぴったりではないかと輸入を決めたんです」

 現在、こあらやは、天塞酒庄のほか、シルバーハイツという中国ワイナリーの製品を扱う。天塞酒庄は2010年に設立、シルバーハイツは2007年が初ビンテージとなる新しいワイナリーだ。ゴビ砂漠にある天塞酒庄も、寧夏回族自治区の賀蘭(がらん)山近くにあるシルバーハイツも、降水量が少なく昼夜の温度差が激しい高地という、ワイン作りに適した土地にある。

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