水しぶきは覚悟 涼やか「裏見の滝」10選

NIKKEIプラス1

6位 福貴野の滝 400ポイント
広がる空と落水 圧巻そのもの(大分県宇佐市)

巨岩や渓流の景色で知られる耶馬渓にあり、西椎屋の滝、東椎屋の滝と合わせ「宇佐の3滝」と呼ばれる。見どころは雄滝と女滝に分かれた2つの筋が落差65メートルを一直線に落下する豪快さ。滝見台から全景を眺めた後、歩道を下れば滝裏に回り込める。

「真っすぐに落ちる滝を裏側から見上げれば大きく広がる空と落水を楽しむことができる。スケール感のある滝」(深沢章宏さん)。「日本有数の落差がある裏見の滝で、落ち始めから、滝つぼへと注ぎ込むまでの様子は圧巻そのもの」(佐竹さん)。6、7月の午前7~8時、天気に恵まれれば滝に虹が架かるという。

(1)JR別府駅から車(2)宇佐市観光協会(電話0978・37・0202)

7位 月待の滝 360ポイント
安産・開運を祈る場に(茨城県大子(だいご)町)

日本3大名瀑の「袋田の滝」の近くにある落差17メートルの滝。普段は2筋の夫婦滝だが、水量が増えると子滝が現れて親子滝になる。この珍しい形状から、古くから月の出を待ちながら安産、開運を祈る場とされた。

川面に近い低い位置から滝裏に入り込める。「水量の多いときには迫力があり、水しぶきの中に虹がかかることもある」(加藤さん)。厳冬期には滝が完全氷結して氷瀑となり、「その姿を滝の裏側から見ることができる」(佐竹さん)。近くのそば店では、「湧水で打ったそばを食べながら滝見が楽しめる」(坂崎さん)。

(1)JR下野宮駅から徒歩(2)大子町観光協会(電話0295・72・0285)

8位 岩井滝 200ポイント
四季の表情豊か 深山幽谷の味わい(岡山県鏡野町)

高さ約10メートル、幅6メートルと規模こそ小さいが、幾筋にも分かれて流れ落ち、「裏側からはキラキラと水滴が光るのが美しい」(坂崎さん)。滝裏の岩窟の中には不動明王がまつられている。「滝裏の岩屋にたたずむと深山幽谷の中に身をおいていることが実感できる」(富本さん)。滝を取り巻く四季の表情の変化も豊か。冬季には滝が凍って「氷瀑」が現れるという。

近くのわき水「岩井」は子宝の水としても知られる。毎年7月10日には不動明王の前で護摩をたく「岩井滝まつり」が行われ、多くの人が水をくみに訪れる。

(1)JR津山駅から車(2)鏡野町観光協会(電話0868・52・0711)

9位 山彦の滝 160ポイント
冬には巨大な氷柱に変身(北海道遠軽町)

高さ28メートルの滝は真東を向いており、不動明王がまつられている。例年7月28日には滝まつりが開かれる。「太い一本の滝で、雪解けの季節になるとその水量を増して、轟々と豪快に音をたてる。滝裏から眺めると、水のカーテンの向こうにうつる新緑の森と流れ行く川が一体となって景色をつくりだしている」(加藤さん)

冬になると滝は表情を大きく変える。滝は完全に凍りついて、巨大な氷柱へと姿を変える。1~3月の夜間には、滝の裏側からライトを氷柱に向けて照らすライトアップのイベントが行われ、荘厳で幻想的な世界を楽しめる。

(1)JR丸瀬布駅から車(2)遠軽町丸瀬布総合支所(電話0158・47・2211)

10位 八坂の大滝 150ポイント
冬の氷瀑 タコの形に(長野県大町市)

水量は多くないものの、落差は50メートルある。春から秋にかけては、「霧状になった滝が優しく降り注いでくる景観を裏から見ることができる」(佐竹さん)。冬の氷瀑も見応えがある。頭上からゆっくり落ちる水がシャーベットになって積み上がり、白い大きなタコのような形になる。「見る角度によって円盤のようでもあり、ユニーク。岩壁も近代芸術さながらで見ごたえがある」(枝沢さん)

裏見の遊歩道もありぬれずに多方向からタコの氷を眺められる。訪問の際は氷がどれぐらい大きくなっているか確認を忘れずに。

(1)JR信濃大町駅から車(2)大町市観光協会(電話0261・22・0190)

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を集計し、点数化した。所在市町村名。(1)最寄り駅、(2)問い合わせ先。写真は1、2、3、6、7位岡田真。それ以外は地元の観光協会などの提供。

調査の方法 専門家への取材を基に29カ所の「裏見の滝」をリストアップ。公共交通や自家用車で比較的簡単にアプローチでき、初心者や家族連れも安全に見学を楽しめること、形状など見ごたえの観点から1~10位まで順位をつけてもらい、集計した。近づくのに危険が伴ったり、山中深くたどり着くのが困難だったりする滝は除外した。

今週の専門家 ▽枝沢茂樹(滝愛好家)▽大塚貴之(サイト「滝ペディア」主宰)▽加藤庸二(写真家)▽坂崎絢子(滝ガール)▽佐々木信一郎(サイト「滝のギャラリー」主宰)▽佐竹敦(書籍「日本の滝めぐり」著者)▽鈴木厳朗(滝愛好家)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽林俊宏(サイト「滝人Collection」主宰)▽深沢章宏(サイト「滝の引力」主宰)▽森本泰弘(サイト「瀧~Waterfall」主宰)

[NIKKEIプラス1 2018年6月30日付]

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