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ビジネス書・今週の平台

うつでもコミュ障でも食える人に 当事者が実録仕事術 三省堂書店有楽町店

2018/6/29

2階のビジネス書コーナー、1階のベストセラー棚のほか、売れ筋本を並べた平台にも陳列する(三省堂書店有楽町店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は4月に訪れた有楽町駅前の三省堂書店有楽町店を再訪してみた。定点観測している3書店と同じく東京の中心ビジネス街の書店だが、駅前の入りやすい立地のせいか、客層がいくぶん若めで、新刊への反応が早い。ビジネススキル系の本がベストセラーの上位に並ぶ中で、書店員が注目したのは、発達障害を持つビジネスマンブロガーが普通に仕事をして生きていくための小さな知恵を書き留めた仕事術の本だった。

■ブログやツイッターで発信

その本は借金玉『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)。借金玉(しゃっきんだま)というのはブロガーとしての名前。現在は営業マンとして働く32歳のサラリーマンだ。注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断され、処方された薬で症状を抑えながら働くとともに、「発達障害就労日誌」というブログを書き、ツイッターでも発信し、多くのフォロワーを持つ。

略歴をたどれば、幼少期から社会適応ができず、いろいろあって大学までは卒業、金融機関に就職したものの、まったく仕事ができず退職、一発逆転を狙って起業し、ある程度成長したが大失敗、1年かけて「うつの底」からはい出し、営業マンとして働いているという。その体験をもとに、「『この辺は困っている人が多い』という問題に対するライフハック(ささやかな人生の工夫みたいなものでしょうか)を書き連ねたのがこの本」だ。

「この本の中心テーマは『生存』、すなわち『とりあえず生きていればOK。生き抜こう』です」と、「はじめに」の中で著者は書く。そんなギリギリの感じと、いい意味での軽さが本書には同居している。特に前半は仕事、人間関係、生活習慣の3つの領域で、発達障害を抱えていても何とかやり過ごす術が具体的に書かれていて、発達障害ではなくても社会適応に苦手意識を持つ人には大いに参考になる。

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