ゲルインクでスラスラ 最新ボールペンの書き味点検
働く女性を支えるすてきな文具「胸きゅんステーショナリー」。今回は「ゲルインクボールペン」の使い心地を大調査! 6本のゲルインクボールペンを同じ条件で使い比べてみました。ペン先の太さはすべて0.5mmを使用。オフィスでよく使うA4のコピー用紙に文字や記号を書きました。書き心地や握りやすさだけでなく、インクの特徴や違いも分かりやすく解説します。
「ユニボール シグノ スタンダード」
1994年に発売してからロングセラーの人気を誇るゲルインクボールペンが三菱鉛筆の「ユニボール シグノ」シリーズです。シリーズの中の定番モデルが、キャップ式の「ユニボール シグノ スタンダード」。値段は100円(税抜)です。
持ちやすさ … 三角で握りやすいボディー
インク色 … 黒・赤・青・ブルーブラック・金・銀
静止時は粘度の高いゲルインク。ペン先端にあるボールが回転し粘度が下がることで、液状のインクが出るのです。そのため書いた感触がとても滑らか。顔料インクが使われているため、耐水性・耐光性に優れています。インクのカラーが見えるクリアなボディーは、スリムでかさばらないのもいいですね。
軸は透明なプラスチックでできていて、グリップ部分が3カ所少しくぼんでいます。握るだけで自然とペンが持ちやすくなるよう配慮されているのがスゴイ。デザイン的にもとてもオシャレなので、ビジネスやプライベートなどさまざまなシーンで使えます。
「ハイテック05」
1994年の発売以来、細く書けるボールペンのパイオニアとして愛されているゲルインクボールペンが、パイロットコーポレーション(PILOT)の「ハイテック05」(ペン先が0.3mm、0.4mmの名称は「ハイテックC(0.3・0.4)」)です。キャップ式で、値段は200円(税抜)です。
持ちやすさ … グリップ部分に滑り止めがあるので持ちやすい
インク色 … ブラック・レッド・ブルー・グリーン・ピンク等 10色
文字が極細に書ける秘密はペンの構造と、インクにあります。ペン先にあるパイプの先端に3つのくぼみがあり、そこで極小のボールを安定して支えることができる「3点支持方式」が使われています。インクは酵母のような微生物から作られる樹脂の「バイオポリマーインキ」を使用。この2つおかげでインクがにじまずに、極細の文字を書くことができます。手帳の方眼など細かいマス目に合わせて書くことに適したペンです。
グリップ部分のプラスチックに細い輪のような滑り止めが付いているため、指が滑りにくい。ペン軸の幅とペン自体の長さは比較的細めなので、コンパクトに使えます。2012年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞。デザイン性も高く、長年多くのユーザーに愛されているペンです。
「フリクションボールノック」
2007年に登場し一躍話題になったのが「消せるボールペン」でおなじみのPILOT「フリクションボール」です。ペン先が0.5mmのスタンダードなノック式タイプがこちらの「フリクションボールノック」。値段は230円(税抜)です。
持ちやすさ … 持ち応えのあるグリップ
インク色 … ブラック・レッド・ブルー・グリーン・オレンジ等 10色
一定の温度になると色が消える「フリクションインキ」が使われています。書いた後にペンの上部に付いているラバー部分でこすることにより、摩擦熱でインクの色が無色透明になります。何度でも書いたり消したりできるので、手帳やカレンダーなどのスケジュールを書き込むのにおすすめです。こすると消えてその上に文字が書けるので、予定の変更が気軽にできます。
ラバーグリップは、ドット型のくぼみが滑り止めの役割を果たします。フリクションは、文字を書き直す際、ペン上部にあるラバー部分で文字を消すため、ペンを上下反対に持ち替えて使う機会が多くなります。書くときはラバーグリップが握りやすく、反対に回転させるときはノック式の部分がちょうど手に当たるのでくるくる回して使いやすい構造になっています。
「サラサクリップ」
サラサラした書き心地で2012年から5年連続でナンバー1のシェアを誇る大人気のジェルボールペンが、ゼブラの「サラサクリップ」です。その名の通りクリップが付いているため、持ち運びにも便利。値段は100円(税抜)です。
持ちやすさ … ラバーグリップの縦線が滑り止めに
インク色 … 黒・赤・青・緑・黄・紫等 46色
サラサラとした書き味が魅力のペンです。耐水性に優れた水性顔料が使用されているので、にじまずに色が濃くて鮮やかな発色を楽しむことができます。全46色と色数も多く、パステルカラーや落ち着いた色合いのダーク系など、手帳やノートを書くときに自分の好きな色を選べるのが楽しみの一つ。イラストを描く人にもおすすめです。
ペンの先端に近いくびれた部分までラバーグリップが付いているので、ペン先に近いところを握っても書き心地が安定します。また、クリップ部分が可動式のバインダークリップになっていて、上部を握る力の加減を変えることでクリップの開閉角度が変わります。手帳やノートだけでなく、厚みのあるボード等にも挟めるので移動に最適。
「サラサドライ」
サラサラシリーズの中で速乾性に特化したのが、2016年に発売のゼブラ「サラサドライ」です。値段は150円(税抜)。
持ちやすさ … ラバーグリップで滑りにくい
インク色 … 黒・赤・青
色が濃く、太くしっかりとした線を書くことができます。紙に浸透しやすい超速乾ドライジェルが使われているので、書いた後にすぐにインクが乾くのが最大の特徴です。速乾時間に優れているので、手帳やノートをすぐ閉じたいときや、書いた文字の上から消しゴムをかけてもインクがほとんどにじみません。利き手が左手の方にもおすすめの1本。
こちらも「サラサクリップ」同様、ラバーグリップが付いているので滑りにくく、クリップ部分が可動式のバインダークリップになっているため胸ポケットに入れたり、ノートなどに挟んだりと携帯しやすくなっています。
「ノック式エナージェル」
最後にご紹介するのは、ぺんてるの水性ゲルインキボールペン「ノック式エナージェル」です。値段は、200円(税抜)。
持ちやすさ … クッション性の高いしっかりとしたグリップ
インク色 … 黒・赤・青
インクには「エナージェルインキ」が使われており、スムーズな書き味と速乾性がポイント。併せて、高発色の着色剤が使われているため色が濃くクリアで鮮明な文字を書くことができます。とめ・はね・はらいもしっかり書けるので、祝儀袋の氏名や手紙の文字などを書くのにも重宝します。
ペン先がニードルチップになっているため、しっかりとした筆跡で狙ったところに書くことができます。グリップは厚みがあり、クッション性もしっかりしているのが特徴です。手が疲れにくく、長時間文字を書きたい方にもおすすめです。
用途に合わせて使い分けるのがおすすめ!
ゲルインクボールペンは、ペン先の太さが同じ0.5mmのものでも、線の太さやインクの濃さに違いがあります。書き心地や持ちやすさだけでなく、書いた文字が消せるものや速乾性があるもの、長期保存に向いているものなど機能性に優れたものもたくさんあります。ペンの特徴がそれぞれ分かれているので、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。手帳やノートだけでなく、宛名や事務用など目的に合わせたペンを探してみてはいかがでしょうか?
(ライター やまぐちまきこ、写真 やまぐちまきこ・スタジオキャスパー)
[nikkei WOMAN Online 2018年5月25日付記事を再構成]
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