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「サバ缶」日本とインドのカレーな競演 東京・経堂

「梅野菜カレー」は野菜たっぷり

saba-canはどのようにして誕生したのだろうか。これはハサンさんが日本に来て初めて作った料理だという。それも店をオープンする前に、自宅で作っていた料理がベースになっているのだとか。

30数年前、ハサンさんは大学院へ留学するために来日。大学院卒業後は会社員として働いていた。ガラムマサラをオープンする前は飲食業とは無縁だった。会社員時代の食事は外食ばかり。自分で料理を作る時間はないが、ちゃんとしたものを食べたいという思いがつのった。もともと魚が好きなハサンさんは定食店に入ると、焼き魚定食を選ぶほど和食にも親しんでいた。自宅でも魚料理を食べたいが、生魚を調理するのは大変だ。どうしたらいいだろうか。思案した結果、試しに買ってみたのが魚の缶詰だった。サバやイワシの缶詰を買ってきて、自分が食べたい味になるように味付けをあれこれ試してみた。故郷の母親に国際電話をかけて、レシピを教えてもらいながら試行錯誤の末に生まれた味がsaba-canのベースになったという。

ハサンさんが会社を辞め、店を始めたのは「自分が食べたい料理を出す店」を作りたかったからだ。当時はまだ東京にもインド料理店が少なかった頃。最初は故郷の母が作ってくれた味を再現し、徐々にハサンさんの創作スパイス料理も出すようになった。2002年ごろにはsaba-canもメニューに登場した。

トマトの代わりに梅干しを使う

ハサンさんの創作料理は日本の食材とスパイスを、うまく融合させているのも特徴だ。メニューの中から「和×インド」の創作料理をもう1つ紹介しよう。「梅野菜カレー」(1080円、税別)はその名のとおり、梅干しとたっぷりの野菜で仕上げたカレー。野菜の種類が多いのも魅力だ。カレーの中には野菜がゴロゴロ入っていて、なんともヘルシー。大根、カブ、トウガン、カボチャ、オクラ、ゴーヤ、パクチーなど、この時期の旬の野菜なら何でも使う。

こちらも1口いただいてみた。「トマトの代わりにペースト状にした梅干しを使いました」とハサンさんが言うとおり、梅の酸味がきいている。梅干し風味が梅雨時にピッタリだ。辛さは控えめで、あっさりさっぱり。今まで食べたことがない斬新な味なのに、どこか懐かしい。バターなどの乳製品は一切使わず、油も必要最低限しか使用しないから、サラッとしていて体に優しい味わいだ。このカレーなら毎日でも食べられそうだ。

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