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カリスマの直言

つみたてNISA半年 さあアクティブの出番(渋沢健) コモンズ投信会長

2018/7/2

つみたてNISAを若手現役世代が活用することはマクロ経済の観点からも重要だ(写真は投資セミナー)
「つみたてNISAはスタート半年とはいえ、金融業界において確かな変化の予兆を感じる」

積み立て型の少額投資非課税制度、いわゆる「つみたてNISA」が2018年1月にスタートしてから半年が経過した。運用コストが安い投資信託を対象として、金融庁が初心者でも安心して長期投資を始められる制度を導入したことは社会的意義がある。3年にわたって金融行政の改革に取り組んできた森信親長官のおかげだろう。

つみたてNISAは発足半年とはいえ、金融業界において確かな変化の予兆を感じる。まず、若手現役世代が地方銀行などの支店に足を運んで口座を開設しているのを観察できる。いうまでもなく、地方銀行を含む金融業界の投信の主な顧客層はお金に余裕がある高齢者世代である。

■若手現役世代や女性が口座開設

若手現役世代がつみたてNISAを活用することはマクロ経済の観点からも重要だ。積み立て投資は月々の少額の余裕を積み立てることにより、いずれは大きな余裕資金として戻ってくる。若手現役世代は将来に漠然たる不安を抱えているだけに、余裕資金があれば一部は消費や教育費に回り、経済にも好影響を及ぼすだろう。

また、つみたてNISAが始まってから弊社では女性の口座開設が増えている。人生100年という世の中で、男性より長生きする女性がそれに備えて積み立て投資を実践することは理にかなっている。

一方で、つみたてNISAのラインアップに、運用成績が市場全体の動きと連動するインデックス型の投信が圧倒的に多いことに関しては課題があると思っている。弊社のように指数を上回る運用成績をめざすアクティブ型の投信は少数だ(対象投信は4月23日時点で148本。内訳はインデックス型129本、アクティブ型16本、上場投資信託=ETF=3本)。

インデックス型の投資が「パッシブ」運用とも呼ばれるのは、アクティブ型のように能動的に企業調査を行い、良しあしを判断してファンドに組み入れる必要がないからだ。ただ機械的に、良い会社も悪い会社も市場の時価総額のウエート通りにファンドに組み入れれば運用できる。

手間が少ない。だから、コストが安い。これが、インデックス型の最大の売りだ。確かに、長期投資において運用費が低いことは運用成績に貢献することは間違いない。そして、真面目で慎重な日本人には受動的なパッシブという言葉の方が、能動的なアクティブよりリスクが低いと感じられるのかもしれない。

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