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W杯の後もファンをひき付けるには 試されるサッカー スポーツマーケティングの専門家に聞く

2018/7/5 日経MJ

コロンビア戦の勝利で一気にファンの熱気が高まった(6月19日に都内であったパブリックビューイング)=ロイター

サッカーワールドカップ(W杯)での日本代表の戦いが終わった。盛り上がりに欠けた開幕前の空気は、初戦のコロンビア戦勝利で一転。決勝トーナメントへの進出で最高潮に達した。もっともファンの心理を読み解く最新の理論では、強さと関心度は単純に相関するわけではないという。弱いときでも応援してもらうには何が必要か。スポーツマーケティングの専門家に聞いた。

■「一時的ファン」の関心移ろう

法政大学スポーツ健康学部の吉田政幸准教授によると、スポーツマーケティング・マネジメント研究でファン心理を理解する理論として現在、一般に使うのが「心理的連続モデル」だ。米テンプル大のダニエル・ファンク教授が提唱した。この説によると、人はいきなりファンになるのではなく、「認知」→「魅力」→「愛着」→「忠誠」という4段階で成長していく。

サッカー日本代表を例にすると、「認知」は、「日本代表のことを知っている」という状態だ。「魅力」は「観戦して楽しい」「日本代表が好き」、「愛着」は「代表ファンと自分で口にできる」、「忠誠」は「サッカー日本代表は私の人生の一部」と感じるような段階を指す。

「愛着」まで到達した人は負けようが勝とうが、応援は続ける。弱かった時代のプロ野球、阪神ファンを思い出すとわかりやすい。

この理論をもとにすると、W杯開幕前、日本代表の話題が大きく盛り上がらなかったのは「『魅力』段階の人の関心が離れたから」(吉田准教授)だ。

一方、コロンビア戦は48.7%の世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、後半、関東地区)に上り、「魅力」段階の人の関心が戻った。「(最後の前哨戦の)パラグアイ戦での勝利や、ドイツが初戦でメキシコに敗れるなど格下にとってのチャンスが感じられ、期待が高まった」(吉田准教授)

■「強ければいい」時代終わる

ではなぜ関心が高まったり薄まったりするのか。スポーツファンの研究では、ファンが一時的に増えたり、減ったりする現象を「バーギング」「コーフィング」という言葉で説明する。

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