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成年後見人の仕事って? 認知症などの人の財産管理

2018/7/1

写真はイメージ=PIXTA

 ある平日の夜。良男は夕食を済ませるとダイニングテーブルで本を読み始めました。時々、ラインマーカーで線を引いたり、うなずいたりしています。幸子と恵は会社の仕事で調べ物をしているのかと思いましたが……。

筧幸子(かけい・さちこ、48=上) 筧良男(かけい・よしお、52=中)  筧恵(かけい・めぐみ、25) 

筧恵 ずいぶん熱心ね。「成年後見制度」? なぜ、そんな本を読んでいるの?

筧良男 会社の同僚が認知症の父親の預金を下ろしに行ったところ、銀行の担当者から「成年後見制度を利用して成年後見人を選ばないと引き出せない」と言われ困っていると聞いたんだ。同僚は「そんな制度は知らない」と途方に暮れていたが、他人事ではない気がしてね。

 どういう制度なの?

筧幸子 ひと言でいうと、家庭裁判所が選んだ「成年後見人」などが認知症や精神障害、知的障害で判断能力が低下した人のために生活を支援したり財産を管理したりする仕組みよ。2000年4月に介護保険と同時に始まった制度なの。判断能力がほぼない人には「成年後見人」、あまりない人に「保佐人」、不十分な人に「補助人」がそれぞれついて支援するのよ。

 生活支援って、つまり介護をするということ?

幸子 食事や入浴などを手伝う介護とは違うわ。弁護士や司法書士が代理で手続きするのに近いイメージよ。認知症などで判断能力が低下した人は介護施設でサービスを受けようにも説明を理解したり、契約したりすることが困難なケースがあるの。お金の計算も十分にできない場合が少なくないし、特に重い認知症の人は難しいわ。そこで成年後見人が本人のために生活支援や財産管理をするの。

良男 しかし、認知症の人が約500万人とされる中で17年末の成年後見制度の利用者は約21万人。いかにも少ないね。

幸子 制度が始まって20年近くたつのに中身があまり知られていないのが原因らしいわ。試しに質問するけど、恵は誰が成年後見人になるか知ってる?

 本人の家族じゃないの?

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