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from 日経Gooday

室伏広治さん 猫伸びストレッチで不眠知らず 元ハンマー投げ選手の室伏広治さんに聞く(中)

日経Gooday

2018/7/5

元ハンマー投げ選手の室伏広治さん。犬や猫のような“伸び”が入眠へのカギだと言う
日経Gooday(グッデイ)

 2004年のアテネ五輪で金メダル、2012年のロンドン五輪では銅メダル、2011年の陸上世界選手権・テグ大会では36歳という大会史上男子最年長での金メダルを獲得した、陸上界のレジェンド・室伏広治さん。四半世紀にわたり第一線で結果を出し続けた理由の一つに、室伏さんは「集中力」を挙げる。集中力を高め、維持し続けるにはどうすればいいのか。今回は「睡眠」と「運動」――自身で生み出した「ハンマロビクス」というトレーニング法についてお話しいただく。

◇  ◇  ◇

 集中力を高めて維持するためには「栄養」「運動」「疲労回復」のバランスが大切ですが、体を回復させるための観点でいうと、やはり睡眠が重要になります。今回はまず、「睡眠」についてお話しできればと思うのですが、実は私自身、睡眠でひどく困ったという経験がありません。飛行機に乗ってもすぐに寝てしまい、欧州に着地したことすら気づかなかったという経験もあるぐらいよく眠れる体質なのです。

■眠れなかったのに結果が出た

 大事な試合の日は緊張や不安で眠れないというアスリートもいるかもしれませんが、若い頃の私は、不安で眠れないというより、「とんでもなく良い記録が出たらどうしよう」という、調子の良さからの抑えきれない興奮や緊張感から眠れないことはありました。それでも、ベストパフォーマンスを発揮することができました。

 そうした自身の成功体験を振り返っても、集中力を発揮するためには、ある程度の緊張感を持つことが大事だと思います。「どんな状況もすべてプラスに転換し受け入れて、全力を尽くす」。それがプレッシャーなどを集中力に変える方法だとも思います。

 皆さんも重要なプレゼンの前や納期前などに、プレッシャーやストレスを抱えて眠れなかった経験があるかもしれません。しかし、高い目標を掲げ、それに向かって努力し、しっかり準備してきたのであれば、その時感じるプレッシャーやストレスでさえ力を発揮するための力となっていくでしょう。

 とはいえ、万全な状態を保つためには、しっかり寝るに越したことはないかと思います。日ごろからなかなか寝付けなかったり、眠りが浅く寝起きがスッキリではなかったりすると、心身ともにストレスを抱えたままで回復しません。回復できないとやはり集中力は低下します。休日に家でゴロゴロ休んでいても、「疲れが残る」「だるさが続く」と訴える人が最近多いようですが、「睡眠の質の低下」は大きな原因の一つに挙げられるでしょう。

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