ラフテー、白味噌仕立てで 沖縄宮廷料理の伝統生かす
郷土料理の琉音
会社を早期退職した店主の小林清高さん(65)は琉球料理の奥深さに魅了され、著名料理人が営む名店で修業。その店舗を引き継ぎ、6年前に那覇市内に開いたのが「郷土料理の琉音」だ。宮廷料理の流れをくむ伝統料理を中心に現代の沖縄料理を交えたメニューを、6千円(13品)~4千円(9品)の3コースで楽しめる。
沖縄でいう「てぃーあんだ」の精神を大事にする。直訳すると「手の脂」。手の脂がにじむほど丁寧で、愛情がこもっているという意味だ。とりわけ手間のかかるのが祝いの席で出されたドゥルワカシー。すり潰したターンム(田芋)に豚肉やシイタケなどを加え、火にかけてだし汁を加えながら1時間かけて練り上げる。もっちりした食感が心地よく、芋の甘みが優しい。
豚肉を煮込んだラフテーは普通はしょうゆベースだが、白味噌仕立てであっさりと仕上げてある。箸で切れるほど軟らかく、脂身を食べても脂を感じさせない。シメの豚飯(とぅんはん)は炊き込みご飯にカツオだしをかけ、お茶漬け感覚でいただく。
季節の県産野菜を用い、沖縄県の「おきなわ食材の店」に登録されている。一品出すごとに料理の内容や食材、調理法を説明。島野菜の特徴や栄養分などを解説した手作り文書も用意する。「琉球料理や沖縄の食材をもっと知ってもらいたい」。来店客の大半を占める本土の人にはうれしいサービスだ。
(唐沢清)
〈きょうどりょうりのりゅうね〉那覇市久米1の16の13 電話098・868・3456
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