ペットボトル飲料 主役はちび飲みコーヒーと強炭酸
2018年上半期トレンド飲料
日経トレンディは2018年上半期ヒット商品とともに、下半期にブレイクすると予測したものを徹底調査した。食品業界編(記事「ちょっとだけでも大ヒット 18年上半期トレンド食品」)に続いて、飲料業界編を紹介しよう。
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すっきりコーヒー百花繚乱
「クラフトボス」や「ウィルキンソン」の好敵手が相次いで出現し、2018年上半期はペットボトルコーヒーと強炭酸水の市場が盛り上がった。
オフィスでの「ちびだら飲み」のニーズを捉え、17年に大ヒットしたペットボトルコーヒー「クラフトボス」。これが上半期に新市場を見事につくった。タリーズ、UCC、ワンダと、コーヒーブランドが一気にペットボトルコーヒーに参入。飲料コーナーの景色ががらりと変わった。頭一つ抜けているのは「タリーズコーヒー スムーステイストラテ」。クラフトボスのラテと違い、無糖である点が好まれたようだ。
また、ほうじ茶を混ぜた「ワンダ TEA COFFEE カフェラテ×焙じ茶」も、発売後1カ月で年間販売目標の約3割を達成と好調。「ブラックで、クラフトボスに匹敵する勢いがあるのはUCC」(飲料総研)。
もう一つのビッグトレンドが、無糖の炭酸水だ。昨今、炭酸水を酒の割り材ではなく「じか飲み」するニーズが急増し、ウィルキンソンの炭酸水が一人勝ちとなっていた。そこに上半期は好敵手が出現。カナダドライとサントリー南アルプスブランドから、いずれも「強炭酸」を掲げた新商品が出た。迎え撃つウィルキンソンは、強炭酸水にスパイシーさを加えてさらに刺激を高めた「ウィルキンソン タンサン ドライ」を発売。いずれも好調に滑り出し、夏の激戦を控えている。
「新しい地図」の2人と共にヒット
稲垣吾郎と香取慎吾をCMに起用したノンアルコールビール「オールフリー」のリニューアルも大成功。2人をCMに起用したことを発表した際、ツイート数が1日14万件と驚愕の拡散力を示した。2月の売り上げが前年同月比156%の大躍進を遂げただけでなく、「買った人の半数が新規ユーザー」(サントリービール)。「新しい地図」の活動を応援したい人を巻き込み、市場拡大に貢献した。
斬新! 凍らせるコーラ
コカ・コーラ フローズン レモン(コカ・コーラシステム)はコカ・コーラをフローズン飲料にした新商品。凍らせたパウチをもむと、シャリシャリとした凍ったコーラが出てくる。炭酸は含まれないが、レモン風味で爽快感を演出。4月の発売直後に爆発的に売れ、夏までの製造予定分をすでに出荷。この商品と、1月に限定発売された「コカ・コーラ ピーチ」は、世界初登場。今後も、日本先行商品に積極的な構えだ。
ブレイク候補:低温輸送でフレッシュな酒を家で飲む
造りたての酒に火を入れずに、そのままチルド輸送するアルコール飲料が広がりつつある。「生冷 KIREI」(三菱食品)は酒蔵から10度以下を保ち、独自輸送で配送する冷酒専用の日本酒。フレッシュなうまみを自宅で楽しめる。
ブレイク候補:カフェインゼロのコーヒー風味
お茶のように飲めるコーヒーのトレンドが続くなか、原料に大麦を使ったコーヒーとお茶の間のような飲料が7月24日に発売に。カフェイン、カロリー共にゼロで「ちびだら飲み」需要にハマりそうだ。
ブレイク候補:濃くなくてゴクゴク飲める
ペットボトルコーヒーの台頭に対抗し、日本茶分野にも「すっきり」を追求した商品が出た。苦みや渋みのないフレッシュな味で水代わりに飲める。ボトルの形もペットボトルコーヒーに近い。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ 2018年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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