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契約切れ・地震・水害… 自宅の保険に問題はない? 長生き時代の保険の選び方(3)

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2018/7/18

写真はイメージ=123RF
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人生100年時代に欠かせない保険はあるのか? その代表に挙げられるのが「住まいの保険」だ。長く生きれば、それだけ自宅で暮らす時間も長くなる。もし、その間に自宅を失うような事態に遭遇すれば「ライフプランが根底から覆されてしまうから」(FPの清水香さん)。災害に遭って自宅を失った場合には自治体から一時金が支払われる。ただ、その額はあくまで一時金であり、失った自宅を再建するには程遠い額だ。このため多くの専門家が異口同音に住まいに関する保険の必要性を訴えている。

■契約が終了していないか?

(イラスト:タケウマ)

その住まいを襲うリスクとして想定できるのが、火災、風水害、地震だ。内閣府の推計によると火災保険の加入率は8割程度で2割の人が未加入。「火災保険の契約が切れているのに、気が付いていない人が多い」と指摘するのはFPの井戸美枝さんだ。

ローンを組んで自宅を購入した場合、金融機関から指定された火災保険に加入していることが多い。2015年10月以降、火災保険の契約期間は最長で10年になったが、それ以前は30年以上契約できるものも。住宅ローンとともに火災保険に加入した場合は、ローンの完済時期と保険期間が同じに設定されており、ローン返済終了とともに火災保険の加入期間も終了、という例が散見される。

ところが「火災保険の期間が切れたことに気付かず、そのまま放置してしまっている人が多い」と井戸さん。FPの畠中雅子さんも「特に年配の方に多く見られます。住宅ローンを払い終えている人は要注意です」と指摘する。わが家は加入済み、と思っている場合でも、今一度、契約期間が終了していないか確認が必要だ。

加入している場合でも、必要な補償が備わっているかのチェックも肝心。加入する保険によって、どんな災害を補償しているかが異なる。近年は大きな震災や水害の発生も多いため、多くの自治体がハザードマップを作成、公開している。自宅の所在地にはどんなリスクがあるかを確認し、そのリスクに対する補償が備わっている保険なのかを確かめよう。

そして忘れてはならないのが地震保険だ。大きな地震の発生リスクが高まる中、地震が起きて被害を受けた場合の備えができているかもチェックを。地震保険は火災保険とセットで加入、保険金額は火災保険で受け取る保険金額の最大50%を支払うというものが多い。だが、かねて言われるように、地震による火災は地震保険での補償になる。地震による津波で自宅が流失したという場合も同様だ。同じように自宅を失う状況になったとしても保険金が半分、では再建もままならない。

このような場合は特約を付けることで、火災保険と同じ保険金を受け取れるものもある。特約分の保険料は、保険期間1年、保険の対象は築20年の建物(木造)、建物保険金額は1000万円、建物所在地は東京都という条件で算出すると、おおむね1万円台となっており、これらを検討してみるのも選択肢の一つ。「既に長期の保険に加入しているという人でも、少額短期保険(保険期間1年間の掛け捨て)で地震の補償を上乗せすることもできます」とFPの畠中雅子さん。こうした保険商品があることも知っておきたい。

■空き家に保険が必要?

人が住んでいる家といない家の保険は違う

「家族が居住する自宅だけではなく、『空き家』についての保険も検討を」と注意するのはFPの清水香さんだ。既に自宅を保有している人が死亡した親の家を相続し、誰も住まない家を保有する例が今後増えると予測できる。解体するにも費用が掛かるからと放置した場合、放火や漏電などで出火するリスクがある。火災保険に入っていなければ、残存物の撤去費用や近隣への見舞金を支払う場合は自費で払うしかなくなるのだ。「保険料が高くなりますが、人が居住する住宅物件ではなく、店舗や会社と同じ一般物件として火災保険に入ることができます」と清水さん。こうした保険もこれからは検討が必要になってきそうだ。

(日経マネー 佐藤由紀子)

[日経マネー2018年7月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年 8 月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


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