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飲めるドーナツって何? 都内唯一のポーランド料理店

2018/6/27

東京・調布市に、都内唯一と言われるポーランド料理専門店「ポンチキヤ」を開いた坂元萌衣子さん

6月28日はサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会のポーランド戦。敵はいったいどんなものを食べているのか。ポーランドの食はなじみが薄いが、6月24日、東京・調布市に都内唯一という小さなポーランド料理専門店が開店した。

「ポンチキヤ」――。店主は坂元萌衣子さん。作曲家ショパンが大好きで大学ではポーランド語を専攻。その故国を知りたいと3年次に同国に留学しただけでなく、毎年のように訪れていたほどのポーランドラバーだ。

店の看板商品は店名の通り「ポンチキ」。ポーランドのドーナツだ。日本のあんドーナツのような穴のない丸い形をしていて生地はふわふわ。中にジャムやクリームなどが入る。現地では「国民食」と言っていいぐらい人気のあるお菓子で、スーパーからキオスク、専門店まであらゆる場所で売られ、同国には「ポンチキの日」と呼ばれるこのドーナツを食べまくる日まである。その騒ぎっぷりは以前の記事、「ポーランド『脂の木曜日』 国挙げてドーナツ食べる日」でお伝えした通りだ。

実は坂元さん、最初からこれを格別おいしいお菓子だと思っていたわけではなかったという。ところが、いつも行列ができていて揚げたてが飛ぶように売れる首都ワルシャワの有名専門店のものを食べ、「なんておいしいんだろう」と衝撃を受けた。

10種類ほどあった中、坂元さんが特に気に入ったのはキャラメル入り。クリームの味が均一ではなく、とろりとしたキャラメルの中にさらに濃厚な味わいの部分があり、極上のお菓子のようであったからだ。同店のものは、留学中ポーランドを訪れた坂元さんの父もその魅力にはまったほど。「甘いものが好きな父ではないのですが、帰国日に『あれを持って帰りたい』と、タクシーでわざわざお店まで行ったんですよ」と振り返る。

もともと料理が好きで自分の店を開くのが夢だった坂元さんは、大学卒業後、会社勤めをしながら料理学校で勉強。4年前にはポーランド料理のケータリングや移動販売を始めた。移動販売店では弁当やドーナツを売り始めたのだが、最初は自分がイメージしたものを作ることができなかったという。

京王線柴崎駅近くにオープンしたポーランド料理店「ポンチキヤ」

移動販売店を立ち上げたばかりの頃、坂元さんのポンチキを食べたことがある。みっちりと重量感がある生地のドーナツで、正直あまりおいしいとは思わなかった。坂元さんにそれを伝えると申し訳なさそうな顔になった。

「帰国後研究を重ねて『これだ!』と思えるポンチキができてから営業を始めたのですが、生地は気候などによって膨らみ方が大きく変わる上、大量に作るようになると、発酵状態がベストになるタイミングを調整するのも大変で。これと思う味に仕上げられるようになるまで少し時間がかかってしまったんです」

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