グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食の豆知識

冷やして味わう焼きナス キャビア風やフィリピン式も

2018/6/26

夏のごちそう、とろけるような食感の焼きナス=PIXTA

 夏においしくなる野菜といえばナスもその一つ。その料理にもいろいろあるが、子どものころはたいして好きでもなかったのに、大人になってしみじみとおいしいなぁと感じるのは「焼きナス」である。

 焼きナスは、ナスをじか火で真っ黒に焦げるまで焼き、皮をむいたもの。ショウガじょうゆやだし、ポン酢などでいただく。すぐに食べてもおいしいし、暑い日に冷蔵庫でよーく冷やしたものを食べるのもまた至福のひとときである。

 漬物など生で食べるそれとはまるで変わって、トロリとした食感になるのがたまらない。シンプルな料理だけに、ナスそのもののおいしさがダイレクトに伝わってくる。

 しかし、これは「作る人泣かせ」の料理でもある。調理方法は簡単なのだが、作るのに少々大変な思いをせねばならない。

 焼いたナスの皮は、ゆでたじゃがいも同様、冷めてしまうときれいにむくことができない。熱いうちに作業する必要がある。氷水などで指先を冷やしながら作業するが、ときにやけどしそうになる。しかも、熱いうちに作業していてもスルッときれいにむけないときもあって、ちょっとイライラする。

 ネットでは簡単に作る方法として「焼いてから氷水につけてむく」とか「皮をむいてからラップに包み電子レンジでチンする」などが紹介されている。しかし、焼いたものを水につけると水っぽくなってしまうし、皮付きで焼いたほうがうまみをしっかりと閉じ込めてくれるからか、従来の調理法がやはりおいしい気がする。

 この過酷な「焼きナスの皮むき」には実は必殺ワザがある。この必殺ワザを知るまでは私もこれを作るのが大嫌いだった。

 そのため隙あらば外で食べようと、居酒屋や小料理屋に入るたびにメニューにないかと探していた。しかし、それが食べられる飲食店は意外に少ない。

 やっと巡り合った焼きナスを出す店でご主人にここにたどりつくまでの道のりについて話をしたら、こんな事情を教えてくれた。「家庭で手間がかかるものを料理屋で出すのは当たり前。それを出すお店が少ないのは手間の問題じゃないんですよ。焼きナスの場合は主な食材がナスだけなので、お客さんも原価が分かっている。手間の割に高い値付けをしづらい。だから、お店としてもあまり出したくないメニューなんだと思いますよ」。

 以前、本欄の「酒にも飯にもポテトサラダ みんなが好きな理由とは? 」で、「うまいポテサラを出す店はどの料理もうまい」と書いたが、焼きナスも同じことが言えそうである。単価が安い料理にも手間ひまを惜しまない貴重な店ということになろう。

 前置きが長くなったが、その店のご主人が教えてくれた「ナスの皮をスルッとむく裏ワザ」をご紹介しよう。

【焼きナスの皮をきれいにむく方法】

(1)麺棒やすりこぎを使ってナス全体を30~50回ほどまんべんなくたたく(ヘタにトゲがあるので注意すること)

(2)ヘタの部分にぐるりと一周包丁で切れ目を入れ、長いガクを切り落とす。さらに縦にも3本ほど切れ目を入れる。

(3)網の上にナスを置き、表面が焦げて真っ黒になるまでガスコンロで焼く。家のコンロがIHクッキングヒーターの場合は魚焼きグリルかオーブン、オーブントースターを使用のこと。遠火だと焦げ目がつきにくいが、箸で押さえて中が軟らかくなっていればOK。

(4)氷水などで指先を冷やしながら竹串やつまようじを、あらかじめ入れておいた切れ目に差し込みながら皮をむく。

グルメクラブ新着記事

ALL CHANNEL