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冷やして味わう焼きナス キャビア風やフィリピン式も

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NIKKEI STYLE

夏においしくなる野菜といえばナスもその一つ。その料理にもいろいろあるが、子どものころはたいして好きでもなかったのに、大人になってしみじみとおいしいなぁと感じるのは「焼きナス」である。

焼きナスは、ナスをじか火で真っ黒に焦げるまで焼き、皮をむいたもの。ショウガじょうゆやだし、ポン酢などでいただく。すぐに食べてもおいしいし、暑い日に冷蔵庫でよーく冷やしたものを食べるのもまた至福のひとときである。

漬物など生で食べるそれとはまるで変わって、トロリとした食感になるのがたまらない。シンプルな料理だけに、ナスそのもののおいしさがダイレクトに伝わってくる。

しかし、これは「作る人泣かせ」の料理でもある。調理方法は簡単なのだが、作るのに少々大変な思いをせねばならない。

焼いたナスの皮は、ゆでたじゃがいも同様、冷めてしまうときれいにむくことができない。熱いうちに作業する必要がある。氷水などで指先を冷やしながら作業するが、ときにやけどしそうになる。しかも、熱いうちに作業していてもスルッときれいにむけないときもあって、ちょっとイライラする。

ネットでは簡単に作る方法として「焼いてから氷水につけてむく」とか「皮をむいてからラップに包み電子レンジでチンする」などが紹介されている。しかし、焼いたものを水につけると水っぽくなってしまうし、皮付きで焼いたほうがうまみをしっかりと閉じ込めてくれるからか、従来の調理法がやはりおいしい気がする。

この過酷な「焼きナスの皮むき」には実は必殺ワザがある。この必殺ワザを知るまでは私もこれを作るのが大嫌いだった。

そのため隙あらば外で食べようと、居酒屋や小料理屋に入るたびにメニューにないかと探していた。しかし、それが食べられる飲食店は意外に少ない。

やっと巡り合った焼きナスを出す店でご主人にここにたどりつくまでの道のりについて話をしたら、こんな事情を教えてくれた。「家庭で手間がかかるものを料理屋で出すのは当たり前。それを出すお店が少ないのは手間の問題じゃないんですよ。焼きナスの場合は主な食材がナスだけなので、お客さんも原価が分かっている。手間の割に高い値付けをしづらい。だから、お店としてもあまり出したくないメニューなんだと思いますよ」。

以前、本欄の「酒にも飯にもポテトサラダ みんなが好きな理由とは? 」で、「うまいポテサラを出す店はどの料理もうまい」と書いたが、焼きナスも同じことが言えそうである。単価が安い料理にも手間ひまを惜しまない貴重な店ということになろう。

前置きが長くなったが、その店のご主人が教えてくれた「ナスの皮をスルッとむく裏ワザ」をご紹介しよう。

【焼きナスの皮をきれいにむく方法】

(1)麺棒やすりこぎを使ってナス全体を30~50回ほどまんべんなくたたく(ヘタにトゲがあるので注意すること)

(2)ヘタの部分にぐるりと一周包丁で切れ目を入れ、長いガクを切り落とす。さらに縦にも3本ほど切れ目を入れる。

(3)網の上にナスを置き、表面が焦げて真っ黒になるまでガスコンロで焼く。家のコンロがIHクッキングヒーターの場合は魚焼きグリルかオーブン、オーブントースターを使用のこと。遠火だと焦げ目がつきにくいが、箸で押さえて中が軟らかくなっていればOK。

(4)氷水などで指先を冷やしながら竹串やつまようじを、あらかじめ入れておいた切れ目に差し込みながら皮をむく。

麺棒などがなければ、両手に持ってナス同志をたたくのでもいい。これによって皮と身をくっつけている繊維が壊れ、隙間ができるため格段にむきやすくなるとのことだ。

さて、焼きナスをうまいと感じるのはなにも日本人だけではないらしい。フランスの家庭料理にもこれをアレンジしたものがある。その名も「貧乏人のキャビア(Caviar d'aubergine)」。

簡単にいえば、「焼きナスのペースト」である。「キャビア」に味や形が似ているかと言われると、「どこがやねん!」とツッコまざるを得ない。しかし、これがシャンパンなどのスパークリングワインや白ワインに合う。シャンパンとの相性においては確かにキャビア級!?  

では、作り方を紹介しよう。

【貧乏人のキャビア(Caviar d'aubergine)】

<材料(作りやすい分量)>

焼きナス 3本分 / オリーブオイル 大さじ1 / にんにく 1片 / アンチョビ 2~3枚 / バルサミコ酢(あれば) 少々 / 塩・コショウ 少々

<作り方>

(1)焼きナス、にんにく、アンチョビはそれぞれ包丁で細かくたたいてみじん切りにする

(2)フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ、アンチョビ、ナスの順に加えていためる

(3)バルサミコと塩・こしょうで味をととのえてできあがり

そのままでもいいが、粗熱をとって冷蔵庫で半日から1日ほど置くと味がなじんでさらにおいしくなる。パンやクラッカーにつけていただこう。

フィリピン料理にも焼きナスがある。パティスというフィリピンの魚しょう(魚を発酵させて作ったしょうゆ)をつけて食べたり、「お酢+塩+タマネギ・トマトのみじん切り」をかけて食べたりする。

これをさらにアレンジした料理が「トルタンタロン((Tortang Talong)」だ。直訳すると「オムレツにしたナス」。これがバツグンにうまいのだ。

私は一時期、これにハマって、自分で作るだけでは飽き足らず「布教活動」までしていた。SNS(交流サイト)で友人が「今日のごはんは焼きナスです」などと書こうものなら、「奥さーん、今日は焼きナスだったんですね。もしかして1~2本余ってませんか? もし余ってたら卵液をつけて焼いて食べてみてください」とコメントをつける。

すると、たいていは「もう全部食べちゃったよ」というコメントが来る。が、なかには翌日もわざわざ作って実践してくれるくそまじめな友人もいて、「なにこれ、めちゃウマい! 我が家の定番おかずにします!」と歓喜のメッセージをくれたことがあった。

そんな絶品フィリピン式ナス料理の作り方はこちら。

【トルタンタロン(Tortang Talong)】

<材料(1人前)>

焼きナス 1本 / 卵 1個 / 塩・コショウ 少々 / 食油 少々

<作り方>

(1)焼きナスはヘタの部分を残して、竹串などで身の部分を割く

(2)卵をボウルに溶きほぐし、塩・コショウで軽く味つけし、ナスをひたす

(3)フライパンに油を入れて強火で熱したところにナスを入れる。ナスのヘタを中心に扇のようにナスを広げ、残った卵液も加える

(4)ひっくり返して裏も焼いて、できあがり

これがフィリピンでの一般的な作り方だが、私は焼きナスに片栗粉か小麦粉をまぶしてから卵液につけて焼く、つまり「ピカタ」にしている。そのほうが外側がカリカリ、中がフワッという食感が楽しめるからだ。

フィリピンではこれにケチャップをかけて食べることが多いが、私は「ショウガじょうゆ」か「ニンニクじょうゆ」、あるいは「ナンプラーやパティスなどの魚しょう+砂糖+酢」で食べるのが好き。刻んだパクチー(コリアンダー)をトッピングするのもうまい。

フィリピンは英語が公用語で物価が安く、激安で英語が学べるということで最近では留学先として人気だ。私も6年ほど前に激安留学で2カ月ほどフィリピンに滞在し、大好きな国の一つになった。

フィリピン留学に関するサイトを見ていると「フィリピン料理は日本人の口に合わないので、留学にはふりかけを持って行くといい」というようなことがかなりな確率で書かれている。私はそれがとても心外である。私が現地で食べたフィリピン料理はこの「トルタンタロン」をはじめ、本当においしいものばかりだったのだ。

トルタンタロンをキッカケに「フィリピン料理って実はおいしいのかも」と思ってもらい、フィリピン料理に対する妙な先入観を捨てていただければ幸いである。

さて、私が布教した信者からの報告によれば、「トルタンタロンにする場合は、皮をむいてから電子レンジでチンしたものでも十分おいしい」とのこと。

なるほど、貧乏人のキャビアやトルタンタロンは日本式ほどシンプルな味つけではないぶん、焼くプロセスを手抜きしてもできあがりの味に大きな差はないかもしれない。

日本のものに飽きたら、フランス式、フィリピン式にも是非トライしてみていただきたい。

(ライター 柏木珠希)

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