日常の足としてすっかり定着した電動アシスト自転車。自転車産業振興協会がまとめた2017年の「自転車国内販売動向調査」によると車種別の新車販売台数で電動アシストは前年比6.7%増と好調だ。すでに販売台数の約1割を占める。18年はスポーツ仕様の「e-BIKE」と呼ばれるモデルがヤマハ発動機やパナソニック、ミヤタサイクル、トレックといったメーカー(ブランド)から続々と投入され、さらに注目を集めている。今回はe-BIKEの最新お薦めモデル5台を紹介しよう。
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e-BIKEは分かりやすく言えば電動アシスト付きのスポーツサイクルのことである。日本における電動アシスト自転車といえば、一般車(いわゆるママチャリ)や子ども乗せ自転車のイメージが強いが、欧州や北米ではマウンテンバイク(MTB)やクロスバイクなど、趣味性の高いスポーツサイクルでも急速に普及が進んでいる。その波が今年いよいよ国内のマーケットにも押し寄せてきた。
体力が無い人もスポーツ走行を楽しめる
e-BIKEはこれまで体力に自信がないためスポーツサイクルを諦めていた人でも気軽にスポーツライドが楽しめる革新的な自転車。日本の場合は国土の大部分が山地であるため、ツーリングにおける電動アシストの恩恵は計り知れない。初心者やシニアでもスポーツ走行やツーリングが楽しみやすくなる。
またe-BIKEは自転車通勤の在り方も大きく変える可能性がある。走行性能が高く、バッテリーの容量も大きいため、相当の距離でも楽に通勤できるようになる。特別に体力のある人でなくても片道20kmを汗もかかずに通勤することだって可能だろう。
その一方、MTBタイプのものは筆者のような熱心なスポーツ自転車ユーザーも大いに興味をひかれる。未舗装の山道を上るのは体力に自信がある人間でもかなり骨が折れるからだ。MTB遊びにおいて何より爽快なのは山道を駆け下りることである。e-MTBなら登坂の苦労なく「おいしいところ」だけを純粋に楽しめるのだから素晴らしい。
e-BIKEとこれまでの電動アシスト自転車の違いをより具体的に説明すると、まずスポーツライドを想定して設計されたドライブユニットを搭載していることが挙げられる。ドライブユニットとはアシストを行うモーターとそれを制御するシステム、バッテリー、走行中に様々な情報を表示するディスプレーがセットになったコンポーネントのこと。
現在、シマノの「ステップス」やドイツの自動車部品・電動工具メーカーであるボッシュの「eバイクシステム」、ヤマハ発動機の「PW-X」などがe-BIKE用ドライブユニットとして知られている。
いずれも従来の一般車向けのドライブユニットに比べ、軽くコンパクトに設計されており素早くスムーズにアシストが立ち上がるのが特徴。また長距離走行ができるようバッテリーも大容量のものが用意されている。こうしたドライブユニットをスポーツサイクルと同じ設計思想で作られた車体に搭載することで、軽快かつ俊敏な運動性能を実現したのがe-BIKEなのである。