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ビジネス書を扱う2階レジ前に派手なディスプレーで陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス書を扱う2階レジ前に派手なディスプレーで陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。ベストセラーの上位には未来予測本や自己啓発書が並んでいる。そんな中、ビジネス書の担当者が注目するのは、相次いで刊行されたビジネスパーソン向けの2冊の読書論だった。

自分で考える力を養う読書法

そのうちの1冊は西岡壱誠『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』(東洋経済新報社)。著者は東大3年生。偏差値35から2浪して東大に合格した経験をベースに、暗記術やテスト術の本をものしている。著者によれば、本の読み方を変えただけで地頭が鍛えられ、知識を運用する力がつき、東大合格に至ったと言い、その読み方を家庭教師としてレクチャーしているのだという。そのノウハウをまとめたのが本書だ。

説かれているのは「自分で考える力」を養う読書法だ。偏差値35の自分ができるようになったのだから、誰にでもできるというところに説得力がある。「本を読み込む力」と「地頭力」をつけるのに必要なのは、「読解力」「論理的思考力」「要約力」「客観的思考力」「応用力」という5つの力で、これを段階的に身につけていくノウハウが要領よく説明されていく。カバーや帯に書かれた言葉から本のアウトラインをつかむ「装丁読み」や記者になったつもりで本に質問しながら読む「取材読み」など、独特の本読みスキルを伝授する。本を読むのが苦手な人や本を読んでも身につかないと感じている人には、救いになる一冊だろう。本の選び方にも言及するほか、ページ下の欄外には、著者のおすすめ本がところどころ紹介されているなど、かゆいところに手が届く編集だ。

名物編集者の熱い読書論

もう一冊は見城徹『読書という荒野』(幻冬舎)。著者は名物編集者としてならした幻冬舎の社長。読書とは何か、という本質的な問いを自らの読書体験を通じて語っている。ノウハウ本の趣を持つ『東大読書』とは違って、禍々(まがまが)しいまでの熱量で語られていく本だ。

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