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「言いたいことを1つに絞ることが大切」と話す石井てる美さん

「言いたいことを1つに絞ることが大切」と話す石井てる美さん

マッキンゼー・アンド・カンパニーで働いた経験を持つお笑いタレントの石井てる美さんが、コンサルティングとお笑いに共通するスキルなどを紹介する連載。今回はビジネスパーソンにもなじみ深いプレゼンテーションの資料づくりとお笑いのネタづくりの共通点だ。

ボケを詰め込みすぎて笑えない

お笑い養成所時代、ネタ見せの授業でギターを持ってきた同期の男子がいました。ギターが弾けるのか尋ねたところ、全く弾けないとのこと。そんな彼がギターを使ってどんなネタを披露するのか楽しみにしていたところ、披露したネタというのが、男子の欲望を表現した歌詞をわざと音痴に歌い、さらにギターは弦を押さえることなく、かき鳴らして音を出すだけ、というものでした。笑いは起きませんでした……。

講師の先生からのダメ出しは「なにで笑わせたいのか分からない」というものでした。歌詞の内容で笑わせたいのか、音痴なことで笑わせたいのか、はたまたギターが弾けないことで笑ってほしいのか。つまり、ボケを詰め込み過ぎたのです。

このとき、私が学んだのが、お笑いでは「ボケは1つにすること」というルールでした。1つというのはボケの箇所ではなく、ボケの種類の話です。この彼の場合はネタの中に「おかしな歌詞」「音痴」「ギターが弾けない」とボケが3つも入っていました。これでは、仮にせっかく歌詞の中身が面白くても、ボケがいくつも重なることによって何で笑えばいいのか見ている人は混乱し、心のシャッターが下りてしまうと知りました。

それでは、面白い歌ネタはどうなっているかというと、1つには、歌や楽器がすごく上手な人が面白い歌詞を歌い上げるパターン。はたまた、音痴な人が既存の曲を歌うがあまりの音痴さに笑いが生まれるパターンがあります。前者のボケは「歌詞」、後者は「音痴であること」です。それぞれ、どぶろっくさんの歌ネタと、"歌ヘタ"として歌を披露するオードリーの若林正恭さんが当てはまります。

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