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VRは仕事で生きる ゲームだけではもったいない

西田宗千佳のデジタル未来図

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NIKKEI STYLE

仮想現実(VR)や拡張現実(AR)は、急速に実用化に向けて進んでいる。2018年は「Oculus Go」や「Mirage Solo」といった、パソコンやスマートフォン(スマホ)と連携する必要のない単体で動作するVRゴーグル(スタンドアローンVRゴーグル)の登場により、普及が進みそうだ。

VRにしろARにしろ、どうしてもゲームなどエンターテインメント用途を思い浮かべがちである。しかし、まず大きく花開くのは「企業向け」である。いままでのパソコンやスマホとは大きく違う機器が、なぜ企業に注目されるのか。一つにはコミュニケーションの向上、もう一つには工場など現場作業の手助けや研修といった用途だ。

ビデオ通話より「リアル」

VRの用途で大きな可能性があるのが「コミュニケーション」だ。写真は、スタンドアローンVRゴーグル「Oculus Go」用にOculusが提供している「Oculus Rooms」「Oculus Venues」というアプリケーション。Oculus Roomsは自分の部屋に友人を呼んで対話するようなサービスで、Oculus Venuesは、スタジアムや劇場を再現し、みんなで同じ映像を見るサービスである。

このサービスは、コミュニケーションの世界に大きな革命をもたらす。

「キャラクターになってチャットするだけでしょう? そんなの、昔からネットゲームでは当たり前だった」そう思う人もいそうだ。だがこれこそ、「見る」と「やる」とでは大違いである。Oculus Roomsを使っていて、自分の部屋に友人がやってくると、本当に友人がそこにいるように思える。友人の声が聞こえるから、というのもあるが、それだけではない。サイズが人間らしく表示されることや、首の動きが再現されることで、こちらに目線が合う瞬間がわかること、そして、ちょっとした手のしぐさがあること。そうした要素が目の前で起こることで、「人がそこにいる」感覚を、より強く感じるようになる。

ビデオ通話をしても、それに「リアリティーがあった」と思った人は少ないはずだ。顔は見えるが、小さな画面ごしの関係なので、「実際に会っている」ような感じはしない。画面を見ている顔をビデオカメラで撮影されても、目線がうまく合うことは少ないからなのではないか、と筆者は感じている。だが、VRで「人に会う」と、本当にリアリティーを感じるのだ。

人が会って話すときには、身振り手振りや表情、目線の一致といった、言葉にならない要素(ノンバーバル・コミュニケーション)が意外と重要な意味を持つ。我々は普段、それをあまり意識していない。VRはその一部を、相手に伝えることが可能になっている。だからこそ、より「会っている」感じがするのだ。

これを、エンターテインメントだけに使うのはもったいない。今すぐにでも会議システムとして使えるものだ。資料を空間に見せながら話すことができれば、立派な会議システムになり得る。現状のOculus Roomsでは写真をみんなで一緒に見ることができるが、その機能が拡張されてオフィス文書が見られるようになれば十分に「仕事で使えるもの」になるだろう。またOculus Venuesのような映像を共有する仕組みは、プレゼンテーションにも使える。日本でも、cluster.がVRを使って会議やプレゼンテーションが行えるシステムを運用中だ。

現場作業のIT化を加速する

一方、マイクロソフトがVRとARを融合した複合現実(MR)の用途として力を入れているのが「ファーストライン・ワーカー」と呼ぶ、工事現場や工場の生産ライン、倉庫などでの物流など、体を動かして一線で働く人々の支援だ。彼らも、ホワイトカラーの労働者と同じように情報技術(IT)で仕事を効率化することが必要であるにもかかわらず、なかなかIT機器が導入されずにきた。なぜなら、仕事のために必要な道具で両手がふさがっており、パソコンを持つこともキーボードを操作することもできないからだ。

そこでマイクロソフトが18年5月に公開したのが「Microsoft Remote Assist」というアプリケーションだ。VRゴーグルとメガネを融合したような同社の「HoloLens」デバイスで使用する。

HoloLensは実際の視界にコンピューターを使った映像を重ねて見られる。Microsoft Remote Assistはその機能を生かし、工場のラインなどで、操作すべき場所にマーカーをつけ、さらに、操作や作業の説明を、遠隔地にいる担当者がビデオ通話で教えることができる。HoloLensにはカメラもついているので、遠隔地の担当者からは、作業者がどこを見ていて、どう作業しようとしているのかもわかる。

こうしたアプリケーションは、研修はもちろんのこと、複雑な作業を、遠隔地の担当者と話し合いながら進めることができるのが大きい。今も無線などでコミュニケーションはとっているが、このような「現実の拡張」が可能ならば、作業はもっとはかどる。

これ以外にもVRを新人研修に導入する取り組みなどが始まっている。工事現場や工場での危険を知らせるには、なにより「体験」させるのが一番だ。だが、実際に体験させるわけにもいかない。だから、高い足場からの落下事故や、工場の機器への巻き込み事故などを、VRを使って「体験」させることで、どうすると危険なのかを、体で覚えてもらうのである。飛行機や船舶の操縦のように、多数の機器の操作を覚えなければいけないシーンでは、自学自習も必要になる。そのため、VRで仮想の機材を用意し、自室での自学自習用にする……という構想もある。こうした案件は実際に進んでおり、VR関連の開発企業に持ち込まれる話も、エンターテインメント施設向けや広告案件に次いで、企業内での研修用システムが多くなっているのだという。

VRは個人の能力を拡張する技術だが、それはエンターテインメントのためだけではない。むしろ業務の世界に、可能性は大きく広がっている。今すぐではないが、先々、我々はパソコンを仕事の道具として使うのと同様に、VR・AR機器も仕事に使うようになっている可能性が高い。それは、ほんの数年後かもしれない、と筆者は考えている。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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