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週末レシピ クリーミーな塩豆腐、チーズの代わりにも

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NIKKEI STYLE

日本各地で梅雨を迎え、じめじめとした気候が続くこの時期。夏の訪れの一歩手前と分かってはいても、むわっとした空気がなんとも不快で、食欲も落ちがちな時期である。こんな時期には、キッチンで長時間火を使うのもおっくうだし、どうにもさっぱりとしたものが食べたくなる。そんな時に活躍してくれるのが「豆腐」だ。

そのままでもおいしいのであるが、ただ豆腐をそのまま食べるのでは面白くない。かつて1782年に刊行された曽谷学川が記したとされる『豆腐百珍』では、まさに100種類もの豆腐の食べ方が紹介されているほど、豆腐はその繊細な味わいゆえに、アレンジの幅も広いのである。ちなみに、同著には本当に優れたレシピの数々が掲載されており、現代語訳版も発売されているので、興味のある方はぜひ読んでみてほしい。

そこで今回は、火を使わずに、しかも放っておくだけでできる、「塩豆腐」のレシピをご紹介しよう。

【基本の塩豆腐の作り方】

<材料(1丁分)>

豆腐 1丁(300グラム) / お好みの塩 5グラム

<作り方>

(1)豆腐の水分をふき取り、塩を全体に刷り込む

(2)(1)をキッチンペーパーまたは清潔な布でくるんだら、重しをして冷蔵庫へ

(3)12時間ほど経たったら、キッチンペーパーまたは清潔な布を交換し、再び重しをして冷蔵庫へ。そのままさらに12時間ほど放置する

(4)(3)を取り出し、出ている水気を拭き取ったらでき上がり

だいたいの目安で24時間と記載しているが、豆腐からしっかり水分が抜けて、ひとまわり小さくなったら食べごろだ。保存性も期待したいところだが、残念ながら保存性が高くなるほどの塩分量ではないため、使いきらなかった分は、3日ほど冷蔵庫保存して使い切るのが望ましい。寝かせている間に結構な量の水分が出てくるので、冷蔵庫に入れる時は豆腐は皿にのせて保存しよう。

「塩豆腐」とは、豆腐に塩をまぶしてから寝かせて水を切ったもののことを指す。ただ水を切った豆腐と違うのは、塩の作用による食感と味わいの変化があることだ。

塩をまぶすことによって、塩の浸透脱水作用により豆腐の中の水分が吸い出され、水切りがしっかり行われるため、そのまま水切りした時よりも短時間で凝縮した食感とうま味が楽しめる。そして、もう1つ重要な作用がある。それが、塩のたんぱく質溶解作用である。

豆腐に含まれるたんぱく質のうち、約7割をグロブリンの一種であるグリシニン、コングリシニンというたんぱく質が占める。このグロブリンというたんぱく質は、塩に溶ける性質を持つため、豆腐に塩をなじませて置いておくと、内部に浸透した塩がたんぱく質を溶解させ、非常になめらかな食感に変容させてくれるのである。

「塩豆腐」がしばしば「チーズのような食感」と評されるのは、塩の浸透脱水作用とたんぱく質溶解作用の合わせ技によるもので、水分が吸い出されてうま味や甘味は凝縮され、表面は少し硬くしまり、内部はクリーミーな食感になるのである。もちろんほどよい塩味もつくので、豆腐だけを食べる時よりもうま味の輪郭がはっきりとするため、味が濃厚に感じられる。

この「塩豆腐」は、絹ごし豆腐、木綿豆腐のどちらでも作ることができるが、絹ごし豆腐で作るとまったりとしたクリームチーズのような食感に、木綿豆腐で作るとモチモチとした食感になる。例えるならば、モッツァレラチーズのようになる。

さて、できあがった「塩豆腐」。そのまま食べるだけでも十分おいしいのだが、せっかく味が濃厚になり、チーズのような食感も醸し出しているので、いろいろアレンジしてみたくなる。いくつか簡単にできるものをご紹介する。

なお、気になるカロリーだが、絹ごし豆腐100グラムで56kcal、木綿豆腐100グラムで72kcalと、モッツァレラチーズ100グラム276kcal、クリームチーズ100グラム345kcalに比べて非常に低めだ(カロリー計算は「日本食品標準成分表 七訂」による)。夜遅くに食べても、これなら少し安心して食べられる。

一口大に切り分けた塩豆腐に、ブラックペッパーを散らして、エクストラバージンオリーブオイルをたらり。非常にシンプルだが、ビールのつまみにするにはピッタリの食べ方だ。シンプルなだけに、オイルの質にもこだわりたいところ。

生ハムで塩豆腐を巻く。これだけで、キンキンに冷やした白ワインにぴったりのおつまみができあがる。

モッツァレラチーズといえば、トマトと一緒にサラダ仕立てにしたカプレーゼが定番メニュー。木綿豆腐で作った塩豆腐なら、モチモチしたモッツァレラチーズの食感を再現してくれるので、カプレーゼにぴったり。あればバジルを散らすとより本格的に。

豆腐の白和えは定番メニューだが、塩豆腐を使うことで、通常の豆腐をそのまま使うよりも、よりクリーミーで濃厚な味わいが楽しめる。

チーズのように加熱することで溶けたりはしないが、表面に焦げ目をつけてカリッとさせることで、中のクリーミーさとのコントラストがより明確になり、また一味違った味わいが楽しめる。絹ごし豆腐で作った塩豆腐を使うのがお薦め。

塩をまぶして寝かせるのが基本のやり方だが、塩麹(こうじ)で漬けると発酵臭も加わり、濃厚なうま味も付加されるため、よりチーズらしい風味に近づく。クリームチーズの代替品として使用したいときは、塩漬けよりも塩麹漬けのほうが向いているかもしれない。塩を使った塩豆腐とは少し作り方が違うので、ご注意を。

【塩麹を使った塩豆腐の作り方】

<材料(1丁分)>

豆腐 1丁(300グラム) / 塩麹 大さじ3

<作り方>

(1)豆腐は半日以上かけてしっかりと水切を行う

(2)(1)の前面に塩麹を塗り、キッチンペーパーとラップにくるんで、重しをして冷蔵庫で2~3日寝かせる

(3)麹を拭き取ったらできあがり。アレンジ方法は「塩豆腐」と同じ

「塩豆腐」は、豆腐+塩という非常にシンプルな組み合わせなので、豆腐はもちろんおいしいものを使ってほしいし、塩にもこだわりたいところ。料理を組み立てる時の基本は「同化」で、素材に含まれる成分と同じ特徴を持つ塩を選んであげると、その成分が仲介役となって、非常にまとまりがよくなり、うまみも濃く感じる。

その観点から言うと、「塩豆腐」にお薦めの塩は、豆腐を固めるのにも使用されているにがりを多く含むものだ。また、私の経験上、ダイズ製品はカルシウムの多い塩との相性が良い傾向がある。以上のことから、にがりの主成分であるマグネシウムとカリウム、そしてカルシウムを多く含む塩をお薦めしたい。

幸い日本では、にがりの成分をほぼそのまま含み、カルシウムも多く含んだ塩が生産されている。RO膜という膜を使用して海水から淡水だけを抜いて濃縮海水を作ったあと、瞬間的に水分を蒸発させることで、通常は炊いている間に分離してしまうにがりを含んだまま塩に仕上げたものだ。

商品としては、沖縄県宮古島の「雪塩」、沖縄県宮城島の「ぬちまーす」、北海道の「宗谷の塩」などが挙げられる。いずれの塩も片栗粉のようなパウダー状の塩に仕上がるため、豆腐に浸透しやすいというのも「塩豆腐」を作る上での一つの利点と言えるだろう。

もしこれらの塩を入手できた場合は、ぜひ試してみてほしい。塩による仕上がりの違いに驚くことだろう。余談であるが、この瞬間的に水分を蒸発させるという製法は日本独自に開発されたもので、日本でしか生産されていないため、海外の人に見せると驚かれるというおまけつきである。

今はコンビニエンスストアでも売っている豆腐と塩だけというシンプルな材料で、作るのも簡単で、アレンジも自由自在な「塩豆腐」。ぜひ、この夏の定番メニューに加えてほしい。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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