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ケンドーコバヤシ、読書好きの原点は「呪われたお堂」

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

男気と優しさがあふれるキャラクターにシュールな下ネタトークで人気を集めるお笑い芸人のケンドーコバヤシ(ケンコバ)さん(45)。前回「ケンドーコバヤシ、『ゴルゴ13』から人生を学んだ」に続き、ケンコバさんの知られざる生い立ちや漫画との出合い、学校生活、お笑い芸人になった理由などについて聞いたインタビューの続編をお届けする。

小学校前に母の実家の岡山に、蛇を平気で引き裂く野生児

――生い立ちについておうかがいします。どんな少年でしたか。

「生まれは大阪。母は自宅でやっていた書道教室の先生、父は金融機関の貸し付け関連の仕事をしていました。上に兄と姉がいて、3人兄弟の末っ子です。僕が小学校に上がる前に父がバイクで大きな事故を起こして入院。その間、僕だけ一時的に母の実家がある岡山県に預けられたことがあります。岡山県内でもかなりの郡部で、サーキット場があるような自然が豊かな田舎でした。そこで向こうの悪ガキたちといつも遊んでいて、魚の取り方や蛇のさばき方などを教えてもらいました。だから小1で大阪に戻ってくると、周りからは奇異な目で見られましたね。僕だけ日焼けして真っ黒。アオダイショウを捕まえて平気でピーッと引き裂いたりする。まるで野生児のような存在でした」

――周囲から恐れられていたと。

「ええ。そうでした。でも男子からはリスペクトもされていましたよ。自分で言うのもなんですが、かなりの人気者でしたから。女の子に嫌われることを全くいとわないし、みんなが二の足を踏んでいるのに、どんな池にも平気で飛び込める。しかも、話してみると会話も面白い。女子から時々、告白されたりして、校内でも結構もてる方でしたね」

 「お笑い芸人で多いのは『学校では根暗で、友達がいなくて、いつも陰で人気者をいじっていた』というパターン。でも僕はまったくその逆。僕自身が学校でスターだった。自然の対応力のレベルがほかとはまるで違うんです。カリスマ性があったんでしょうね。スポーツも好きで、小学校では水泳と空手、中学では空手と柔道をやり、高校ではラグビーを始めました。当時はあまり好ましい人間ではなかったかもしれませんね。ヤンキーの格好をして、オラオラしていたような記憶があります」

模試で全国10位以内に、特に現代国語はツボを押さえていた

――でも模擬試験で全国上位に入っていたそうですね。

「あ、それは事実です。たしか小6か中1のころ、総合で全国10位以内に入ったんです。学校の成績はかなり良い方でしたね。高校でも、学校で受けさせられた模擬試験で現代国語で全国7位を取ったことがあります。『なんであいつが?』と校内でも話題になりました。でも、僕は最初から大学には行く気がありませんでした。兄は大学に進学しますが、父親から『次男のおまえは大学に行かんでもいい。好きにやれ』と言われてましたし、手続きも面倒臭かったので……」

――全国10位以内や7位はすごい成績ですね。得意科目はなんでしたか。

「勉強は何でも得意でしたね。模擬試験のときもなぜか分かる問題が多く出たし、不思議とひらめきがありました。試験のコツみたいなものをつかんでいたのかもしれません。特に現代国語は『ここをこうくすぐれば、出題者や先生が喜ぶだろう』というツボがありましたから」

乱読のきっかけはお寺のお堂、手塚漫画・梶原劇画・エロ雑誌…

――読書は好きでしたか。

「ええ。本はメチャクチャ読んでました。時間があったので、図書館でジャンルを問わずに様々な本を借りてきて乱読していましたね。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』とか、海外の小説も好きでしたし、漫画も手当たり次第に読みあさっていました。『ゴルゴ13』のほか、特に手塚治虫先生の作品は小学生くらいのころにすでに全部読破していたくらい。そうした経験が模試に生かせたのでしょう。今の仕事にも大いに役立っています」

――読書好きになるきっかけがあったのですか。

「実は、家の近くのお寺にお堂のような小屋があったんですよ。そこの住職から『子どもはそこに近づくな。呪われるぞ』なんて言い含められていたんですが、僕はそう言われれば言われるほど行きたくなる性格なので、ある日、内緒でその小屋のなかに入ってみたんです。錠前にはいつも鍵がかかっていなかったので簡単に入れました。暗闇のなかで電気をポチッとつけてみると、細長い部屋の片側が本棚で本や漫画、写真集がぎっしり並んでいる。数千冊はありましたね。もう、ビックリしました」

「その本棚には手塚漫画のほか、スポ根漫画や大人のエッチな漫画、雑誌もたくさんあって、まさにお坊さんの煩悩が詰まったコレクションです。とても人間味のある住職さんだったと思いますね。座り心地の良いイスがあったのでそこに座り、小学校2年から6年くらいまで、手当たり次第に本棚の漫画や雑誌、本を読みふけっていました。梶原一騎原作の過激な劇画にもはまりましたよ。そこで人間というものについて色々と深く考えさせられました。今でも感謝しています。そんな読書体験が、僕の人格形成に大きな影響を与えた気がします」

人気投票でラグビー部主将に、実務を副主将に任せる象徴リーダー

――高校時代(私立初芝富田林高校)はラグビー部の主将だったとか。

「あれは単純に人気投票で決まったんですよ。面白いとか、スケベとか、力が強いとかいう理由で、僕に人気がありましたから。リーダーシップがあったからではありません。むしろ副主将になったやつの方が真面目でリーダーシップがあって、実務を担当してくれました。ナンバー2が組織を動かすと全体がうまく回るものです。僕の場合はまさにそれ。完全に象徴としてのリーダーでしたね」

――ラグビー部は強豪だったのですか。

「それほど強くはなかったです。初戦で負けるようなことはありませんでしたが、せいぜい3回戦止まり。上には上があるものです。大阪のラグビーのレベルがとても高いので、もしほかの地域だったら結構強かったかもしれませんが、大したことはなかったです」

――自分を改めて自己分析するとどんな人間だと思いますか。

「そうですね……。分かりやすく言うと、『用心棒』的な立ち位置でしょうか。黒沢明監督の映画『用心棒』があるじゃないですか。その主役の三船敏郎さんのようなイメージです。なかなか格好いい位置にいるんですよ。『先生、お願いします』なんて頼まれて、『よし』と刀をつかんで出て行くみたいな。いつもそれは自負しています。集団の首脳陣というよりも、少し外れている立ち位置が心地良いんです。代打屋的な立場が好きなんでしょうね。中心そのものではないが中心近くにはいる。昔から空手や柔道など武道をやっていたのと関係があるかもしれません。これは悪い癖ですけど、『死ぬことだけはないだろう』という根拠のない自信だけはありました」

少年時代と変わらない立ち位置、バイト先で誘われてNSC第11期生に

「よく昔の友人と飲んだりすると、『おまえの立ち位置は小学校のころからまったく変わらないな』と言われますね。なんでも好きにできる位置にいると……。お笑い芸人として話している内容も『当時と大して変わっていない』と言われます。だから僕は良く言えば、昔からまったくぶれていない。悪く言えば、まったく成長していないということになります」

――なぜお笑い芸人になったのですか。

「ラグビーは好きだったし、大学から誘いもあったので、大学に進んでラグビーを続けることはできたんでしょうが、とにかく練習が嫌いだったんですよ。大学まで行って、また走らされるのはかなわないと思っていました。そもそも僕は大学には行く気がなかったし、それまでに色々な人からお笑い界に誘われ続けていましたから……」

「中学でも『高校に行かずにお笑いに行け』と言われましたし、高校でも同様でした。最後はバイト先でも誘われて、ついに吉本興業に入ったんです。まあ、自然の流れですね。当時は吉本くらいしか選択肢はありませんでした。NSC(吉本総合芸能学院)に第11期生として入ったのが1992年。同期には陣内智則、中川家、たむらけんじ、ユウキロックらがいました」

(競争の厳しいお笑い界でどうサバイバルするのか? インタビュー最終回は7月6日に掲載します)

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