衣類も靴もOK 布団乾燥機、人気はアタッチメント式
ビックカメラ新宿西口店で布団乾燥機の売れ筋を調査した。梅雨のジメジメシーズンに必要な家電だが、同店で家電コーナーを担当する加藤拓哉氏によると、以前よりも注目度がじわじわ上がっているという。「元から布団が干せるベランダがない住まいの方などに需要がありましたが、最近は花粉やPM2.5の問題をきっかけに伸びたところがあります」。花粉やPM2.5が付着するのを恐れ、布団を外で干したくない人が増えており、その結果布団乾燥機の人気が上がっているようだ。
ビックカメラ新宿西口店での布団乾燥機の売れ筋は以下の通り。
布団乾燥機には大きくマット式とアタッチメント式があるが、「製品としては、従来のマット式よりも操作しやすいアタッチメント式が増えています」という。
マット式とは、敷き布団と掛け布団の間に乾燥マットを入れてそこに温風を送る方式で、アタッチメント式は、乾燥マットを使わず、ホースや送風口などを布団の間に直接入れて温風を送る方式のこと。売れ筋はアタッチメント式だ。
ランキングでも上位のほとんどがアタッチメント式となっており、マット式は5位の製品だけだ。「マット式には、布団の隅々までまんべんなく乾燥させやすいといったメリットがありますが、手軽さに加えて衣類乾燥などの布団乾燥以外の使い方もできるアタッチメント式に押され気味です」という。売り場の感触では7:3でアタッチメント式が優勢とのことだ。
・予算の目安はマット式なら1万円、アタッチメント式なら1.5万円程度
・ベッドやフローリング、畳など、布団を敷く場所で最適な機種は変わる
・コンセントが届く位置にあるか要確認。部屋に合わせて延長コードを買う人も多い
人気製品の条件は、手軽さと小ささ
一番人気は、日立コンシューマ・マーケティングの「アッとドライ HFK-BK500」。上下前後左右に13カ所の吹き出し口があるUの字形のアタッチメントを採用しており、敷き布団と掛け布団の間に差し込むことで効率的に乾燥できる。アタッチメント式ならではの手軽さと、温風をふんだんに使う冬コースの乾燥なら約38分で完了する手早さがヒットにつながっているようだ。
「布団乾燥機は、手軽に短時間で乾燥できる製品が好まれます。上下にも吹き出す立体の温風で、アタッチメント式ながら布団の隅々まで乾燥できるところも評価されています」
続く2位はアイリスオーヤマの「カラリエ FK-C2」。布団乾燥機としてはとても軽い1.8kgの製品で、税込みでも1万円で収まる買いやすさも手伝って安定した人気を獲得しているという。
「複数の部屋の布団乾燥だったり、玄関に持ってきて靴乾燥に使ったりと、あちこちに持ち運んで扱いやすいのが魅力ですね。小型ながらもまずまずのパワーがあるのも魅力です」
3位は象印マホービンの「スマートドライ RF-AC20」。本体上部がヒンジつきの送風口になっており、本体を直接布団にセットして乾燥させる。アタッチメント一体型ともいえる構造で、そのまま部屋干しの衣類や靴などに温風を当てる使い方もできる。
「布団乾燥機の買い替えスパンはおおよそ5~6年で、ホースや乾燥マットが破れたから新調するという方が多いです。その点、スマートドライなら破損しやすいそれらの部位がないので、長く愛用できるという強みがあります。実際、そこを気に入って選ぶ方も少なくないです」
ベッド派に人気の「プラズマクラスターふとん乾燥機」
4位はシャープの「プラズマクラスターふとん乾燥機 UD-AF1」。本体は据え置きにして使うモデルで、上部の「きのこアタッチメント」を布団にセットして乾燥する。アタッチメントを少し上向きにして本体に置くことで、部屋干しや押し入れの乾燥などにも使える。同社お得意のプラズマクラスターにより、消臭効果なども期待できるという。
「ベッドルーム用の布団乾燥に買っていかれる方が多い製品です。空気清浄機ほどの性能はありませんが、部屋の空気浄化を期待して選ぶ方も多いですね」
5位の三菱電機「AD-X50」は、ランキング中唯一のマット式だ。昔からマット式を愛用している人も多く、そのなかでとくに支持を集めているのがこのモデルだ。
「本体正面のつまみで操作できる簡単さと、マットに枕用のポケットがあるので、枕も一緒に乾燥できるつくりが人気です。マットにTシャツなども入れられますし、マットを外して靴乾燥も可能と、柔軟に活躍できるところもポイントですね。そのうえでこのお値段(5570円)ですから」
※なお、本文で掲載している価格とポイントは、2018年5月30日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット死生観」(デジモノステーション)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。
[日経トレンディネット 2018年6月12日付の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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