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昭和の王道アイドル路線 さんみゅ~、シニアを魅了

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NIKKEI STYLE

AKB48、ももいろクローバーZ、乃木坂46など時代はアイドルグループ百花繚乱(りょうらん)だが、そんななか異彩を放つのが、さんみゅ~だ。通常、アイドルグループのファン層は10代、20代の男子が多いが、さんみゅ~の中核ファンは40代から50代。コンサートでも事務所の先輩にあたる松田聖子さんの曲など1980年代のなつかしいメロディーを交え、しっとり落ち着いた雰囲気を醸し出す。

80年代のヒット曲をカバー

さんみゅ~のメジャーデビューは2013年1月。グループ名は所属事務所のサンミュージックプロダクション(東京・新宿)にちなみ、当時の相沢秀禎会長がつけた。同事務所にはかつて松田聖子さん、早見優さんなど著名アイドルが所属しており、さんみゅ~は21年ぶりの所属アイドルになった。メンバーは5人で、西園みすずさん(23)、小林弥生さん(22)、木下綾菜さん(21)、野田真実さん(21)、新原聖生さん(19)だ。いずれもタレント養成学校サンミュージックアカデミーの1000人の中からオーディションで選ばれた。

筆者はラジオNIKKEIの「ラジオiNews」というニュース番組に出演している。この番組は月替わりで登場するアイドルに経済ニュースを解説するもので、番組でご一緒したアイドルのコンサートに招かれる機会もある。先日、さんみゅ~のコンサートに足を運んだ。観客席には50代とみられる男性が多く、中には60代ともみえるシニアもいた。

これより前、別のアイドルグループのコンサートに行ったが、5分で帰りたくなった。観客席に席はなく、会場はそろいの法被に鉢巻き、ペンライトの若者で立すいの余地もなかった。曲が始まるといっせいに掛け声をかけ、拳を振り上げ、踊り出し、騒然となった。早々に会場を後にした。プロ野球の外野席でも似たような光景がある。声をそろえて応援歌を歌い、決まったフレーズで選手に声援を送る。ボールがバットに当たる音、ボールが捕手のミットに吸い込まれる音などまるで聞こえない。

さんみゅ~のコンサートは別世界だった。曲も静かなバラード調が多く、シニアファンは上体をゆっくり動かしながらリズムを取り、聞き入っている。アイドルのコンサートに付き物のコールと呼ばれる掛け声も禁止だ。この日もグループの持ち歌のほか、松田聖子さんの『旅立ちはフリージア』やH2Oの往年のヒット曲『想い出がいっぱい』などを披露し、筆者も最後まで楽しめた。

さんみゅ~はデビュー曲が大きな話題になった。事務所の先輩、岡田有希子さんの『くちびるNetwork』を復刻したカバー曲だったからだ。

人気絶頂の86年、岡田さんは突然、自ら命を絶ち、社会に衝撃を与えた。デビュー曲が決まると事務所には賛否両論、様々な声が押し寄せた。岡田さんのファンだったシニア層からは「歌ってくれてありがとう」といった支持の声も多かったが、一方で「苦い記憶を呼び起こさないでほしい」という批判的な声もあった。

デビューからさんみゅ~のプロデュース、マネジメントを担当する望月一人さん(34)は、「こうした反応は想定内だった」と振り返る。デビュー曲が話題になり、さんみゅ~の知名度は一気に上がった。故相沢会長の「事務所の財産である楽曲を受け継いでほしい」という思いもあり、岡田さんのヒット曲をデビュー曲に選んだ。2曲目の『ほほにキスして』、3曲目の『夏祭り』とカバー曲が続き、シニアを含めた幅広いファン層を獲得するという狙いは当たった。

人気上昇、定期公演ほぼ毎月開催

通常のコンサートのほか、「Tribute to the Legend」と銘打ったコンサートでは、すべて松田聖子さんの曲を歌ったり、『夏色のナンシー』など80年代のヒット曲だけで構成したこともある。若いころ、松田聖子さんや早見優さんなどに憧れたシニア世代からは「自分が好きだった曲を歌い継いでくれるのがうれしい」といったメッセージが届く。リーダーの西園さんは「カバー曲を歌っていると、ぐっとくるメロディーやフレーズが自分たちの曲より多い」と語る。

16年には「純白歌合戦」というライブが話題になった。さんみゅ~と80年代のアイドルが共演する企画で、香坂みゆきさん、渡辺美奈代さん、早見優さん、松本伊代さんが登場し、インターネットテレビで配信すると視聴者数は20万を超えた。こうした企画もシニア層のファン拡大につながっており、いまでは定期公演「銀座で逢いましょう」、「秋葉原でも逢いましょう」をほぼ毎月開催するほど人気が上昇している。

メンバーの中には「かつてのファンがどう見ているのか不安に思うこともある」といった声もあるが、メンバー最年少の新原さんは「コンサートでカバー曲を歌うと、見守ってくれている感じがして安心感がある」という。西園さんは最近、コンサート後の握手会などで「次回は山口百恵さんの曲をお願いします」などと声をかけられる。「いい曲は時代が変わってもいい曲であり続ける。自分たちの曲もそうなってほしい」(西園さん)

まもなく平成が終わり、昭和は一段と遠ざかる。今の時代の曲になじめないシニア層にとって、昭和歌謡は輝いていた時代の産物だ。そんな昭和のDNAを受け継ぐアイドルグループさんみゅ~には、新しさと懐かしさが併存する不思議な魅力がある。

(編集委員 鈴木亮)

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