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筋肉作るのは牛乳か豆乳か 最新研究で知るたんぱく質

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

たんぱく質とアミノ酸については近年、さまざまな研究が進んでいる。たんぱく質の種類による機能の違い、コラーゲンの美容効果、月経周期との関係など、女性にとって気になる話題をまとめた。

【食事編】

筋肉量アップにはホエイたんぱく 卵は1日に1個まで

Q 牛乳と豆乳、たんぱく質は同じなの?
A 牛乳は炎症を抑え筋量アップ、豆乳には血流を促す働き

たんぱく質が豊富な飲み物といえば、牛乳と豆乳。優秀なたんぱく質源でもある2つの飲み物は、カロリーやたんぱく質量はほぼ同等。しかし、それぞれのたんぱく質には特徴がある。

まず、牛乳の乳清(ホエイ)たんぱく質には、抗炎症作用がある。神奈川工科大学応用バイオ科学部の佐々木一教授は、「体内には常に微弱な炎症があるが、加齢などで慢性的に炎症が続くようになると筋肉合成は抑制される。ホエイはこういった炎症を抑え、筋肉の再合成をサポートする」という。

豆乳に含まれる大豆たんぱく質は、植物性たんぱく質の代表格。筋肉を増やす作用もあるが、「なんといっても大豆に含まれるイソフラボンをとれるのが利点。大豆イソフラボンには抗酸化作用があり、血流などを促す効果が期待できる」(佐々木教授)。大豆イソフラボンには、筋委縮を抑える働きがあるという動物試験の報告もある。

Q 筋肉になりやすさの指標は?
A 消化吸収率ベースのスコアもあります

アミノ酸スコアとは、体内でたんぱく質合成に必要な必須アミノ酸9種類の充足率をスコア化したもの。スコアが100に近いほど体にとって良質だと考えられ、広く用いられている。

一方、消化吸収効率を考慮したDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)というのもある。たんぱく質がどのくらい消化されやすく、体内で利用されやすいかを動物実験から算出したスコアで、筋肉強化の目安として有用とされ、米国のアスリート向けプロテインサプリなどに表示されている。

Q 動物性・植物性の違いと病気リスクとの関係は?
A 動物性→植物性の置き換えで糖尿病リスクが下がる

アミノ酸スコアを見る限りでは、動物性のたんぱく質と、植物性たんぱく質、どちらもアミノ酸がバランスよく含まれていてその効果もほぼ同等とされる。だが一方で、動物性たんぱく質食品の摂取が多いと、糖尿病や心血管疾患のリスクが高まるという報告がある。

まず、看護師を対象にした観察研究。動物性たんぱく質の摂取割合が高い群で糖尿病のリスクが高く、植物性たんぱく質の摂取割合が高い群ほどそのリスクが低かったという。

ほかに、毎日主菜1~2品相当分の動物性たんぱく質食品を、植物性たんぱく質に置き換えると、心血管疾患のリスクが減る傾向にあるという報告もある。

大豆たんぱくに置き換えるとリスク低下
 米国の女性看護師7万2992人、9万2088人の「看護師健康研究」と男性4万722人の「医療従事者追跡研究」を合わせて分析。データをもとに動物性たんぱく質5%を植物性たんぱく質(大豆、豆類)に置き換えると、糖尿病発症リスクが0.77に低下。加工肉の場合が最も低くなった。
Q 女性は卵を食べすぎるとがん死亡リスクが上がる?
A 1日に卵2個以上でがん死亡率が約3倍になるというデータも

たんぱく質やビタミン、ミネラルを含み、完全食とも呼ばれる卵。だが多くとりすぎるとがん死亡率が上昇するとの驚きの結果が出た。

これは、日本人を対象として1990年から2005年までの15年間にわたり、食生活や喫煙、飲酒などの生活習慣と循環器疾患(高血圧、心筋梗塞など)との関連を探った追跡調査によるもの。

30歳以上の女性4686人を、卵の摂取個数ごとに「週1個未満」、「週に1~2個」、「2日に1個」、「1日1個」、「1日2個以上」と分けて解析したところ、卵を1日1個食べる女性と比較して、1日2個以上の女性ではがん死亡のリスクが約3倍になった。週に1~2個食べる群のがん死亡リスクは1日1個群に比べて約30%低下した。

調査項目に入っていない生活習慣が影響している可能性を排除できない点や、1日2個以上食べる人の人数が極端に少ない点など、考慮すべき点はいくつかある。だが「卵を週に1~2個と少ないグループでがん死亡率が低下しているのは、卵の摂取が影響を与えていることの裏付けにもなる」と論文をまとめた龍谷大学農学部食品栄養学科の中村保幸教授は話す。

「卵を食べると胆汁の分泌が盛んになり、それが消化器系のがんを引き起こすリスクになることが知られている。多すぎる摂取はすべてのがんのリスクを高める可能性もある。何個食べたら危険なのか、それを明確にいうのは難しい」と、中村教授はコメントする。

また、男性で同様の解析を行ったところ、卵の摂取個数とがん死亡との相関は見られなかったという。

(データ:Eur J ClinNutr.;Dec 29. doi: 10.1038/s41430-017-0051-4. 2017)

【カラダ編】

高齢者でもたんぱく質を摂取してからの筋トレは効果的

Q 筋肉のつきやすさがホルモンバランスで変わる?
A 月経後のほうが筋トレ効果は出やすいかも

女性のコンディショニングにおいて、月経周期と筋トレ効果との関係が注目されている。

女性のアスリートを対象にした研究で、月経期間~月経直後の「卵胞期」に比べ、「黄体期」は、運動前に骨格筋のたんぱく質合成を促すアミノ酸を摂取していたにもかかわらず、筋修復が行われる運動後の血中アミノ酸濃度が低かった。

これについては佐々木教授は、「血中にアミノ酸が供給されやすい卵胞期のほうが、筋肉トレーニングの成果が出やすい可能性がある」と話す。

一方で、「空腹時にたんぱく質を摂取した場合の筋肉の合成については、月経周期による影響はみられなかった」(立命館大学の藤田聡教授)という。

Q 高齢になっても筋トレは効果がある?
A たんぱく質をしっかりとれば効果あり 足りないと筋肉減少も

筋肉は常に合成と分解を繰り返し、作り替えられている。しかしこの機能は、年を重ねるごとに衰えていく。藤田教授の研究では、「加齢により、筋肉の合成を促すロイシンに対する反応が低くなることを確認した」という。つまり、高齢者になってから丈夫な筋肉を作ろうとしてもなかなか難しいといえそう。

また、高齢になると、たんぱく質を分解・吸収する能力も、たんぱく質の摂取量も低下する。そんな状態で筋トレを行っても、筋肉修復に使う素材が足りないため、筋肉量がどんどん減ってしまうこともあるという。

一方で、高齢者であっても栄養状態を改善したうえで筋肉トレーニングを行うと筋肉が増えたという報告もある(下グラフ)。高齢になってからのトレーニングには、十分なたんぱく質摂取が大前提といえそうだ。

高齢者も栄養+筋トレで筋肉量が増加
 サルコペニアの高齢者77人を筋力トレーニングだけを行う群とBCAAとビタミンDを含む飲料と筋力トレーニングを行う群に分けて3カ月過ごしてもらった。結果、飲料+筋トレ群では実験前に比べて筋肉量が有意に増加。歩行速度なども改善した。また、6カ月後の転倒リスクも有意に抑制された。
Q 骨は今からでも強くできる?
A コラーゲンとミネラルで骨密度が上がったとの報告

骨も筋肉と同様、日々作り変わっている。骨にカルシウムが沈着する足場を作るのはコラーゲン。骨の20%を占め、硬くてしなやかな骨に欠かせない。骨形成は20歳ごろをピークに年々減少し、閉経を迎えるとそのスピードも加速する。この衰えを完全にストップはできなくても、栄養と運動で改善できる可能性があることがわかってきた。

骨粗しょう症モデルのラットにコラーゲン(ヒトに換算して2.5g分)または同量の乳たんぱくを3週間とらせた結果、コラーゲン群で骨密度および骨強度が上昇する傾向が見られたという。また、カルシウム、コラーゲン、セレンを同時に摂取して運動することで、骨密度が上昇したという報告もある。

やせは危ない!! 若者の「サルコペニア状態」も問題に
 平成28年度の国民・健康栄養調査では、女性のやせが11.6%。20代だけに絞ると20.7%にも上る。「若いうちはやせていても元気でいられるが、たんぱく質不足が続けば加齢による衰えも早い」と佐々木教授。また、順天堂大学の研究では、閉経後のBMI16~18.5のやせた女性は、筋肉量が少ないほど、血糖値が上がりやすかったという。同大学は、若者でも、極端な炭水化物制限を続けていると筋肉の分解が続き、高齢者のサルコペニアと同レベルまで筋量が低下しかねないと警鐘を鳴らす。

【美容編】

肌トラブルを改善するコラーゲンのさまざまな効果

Q 美容面で肌以外にコラーゲンが役に立つ部位は?
A 爪を丈夫にしなやかにする働きがあります

爪は、ケラチンというたんぱく質が密集した、皮膚の角層が変化したもの。もろく、割れて欠けやすい状態はたんぱく質不足のほか、水分量が少ないことが原因として考えられる。

爪に潤いと強さを与えるとされるのがコラーゲンだ。海外では、コラーゲンにビタミンC、カルシウムなどの入った「髪や爪、骨などをしなやかに保つ」と表示されたサプリメントが販売されており、日本国内でも2017年、コラーゲンの摂取で爪の水分量が上がったという報告が発表された。

今後はコラーゲンが爪の救いの神として注目されるかも。

コラーゲンペプチド摂取で爪の水分量が増加
 31~51歳の女性20人を、豚皮由来のコラーゲンペプチド5gを含む6gの粉末と、含まない粉末6gをのむ2群に分け、毎日粉末をのみ、12週間続けた。摂取前と後で爪の水分蒸散量、爪水分量や硬度、皮脂量などを計測。爪の状態は顕微鏡で観察した。結果、コラーゲンペプチドありの群はなしの群に比べて明らかに爪の水分量が高かった。

Q コラーゲンに、医学的な効果はあるの?
A 床ずれやアトピー性皮膚炎の改善効果が明らかに

コラーゲンペプチドに床ずれ(褥瘡(じょくそう))の改善効果があるとことが明らかになっている。

国内の22施設で行われた臨床研究では、傷が真皮まで達している患者に対し、コラーゲンペプチドを10g含む飲料、アルギニン飲料、どちらも含まない飲料の3グループに分け、1日1本、4週間摂取させて比較した。その結果、コラーゲンペプチドのグループでは、どちらも含まない飲料のグループに比べて傷の深さや大きさ、炎症の程度などといった床ずれの状態は改善していた。(データ:J Nutr Intermed Metab,;8,51-9,2017)

この研究を手がけた若草第一病院(大阪府東大阪市)の山中英治院長は、「床ずれへの効果のほか、全身の皮膚状態を改善させるとの報告もある。継続してとることが効果を持続させるポイントだ」とコメントする。

コラーゲンを低分子化したコラーゲンペプチドは、アミノ酸に分解される前のペプチドのままでもある程度腸から吸収され、血中に入る。血液中のコラーゲンペプチドの量が増えると、損傷した皮膚で線維芽細胞が刺激され、皮膚の再生に必要なコラーゲンなどの成分の合成が促されることがわかっている。皮膚が深く損傷する病気だけでなく、表皮のバリア機能の低下で起こるアトピー性皮膚炎など、皮膚の浅い部分に症状が現れているものにも効果があるとする臨床研究もある。

Q よく話題になる「ペプチド」って何?
A たんぱく質とアミノ酸の仲間です

アミノ酸が50個以上結合したものをたんぱく質といい、50個未満2個以上のものはペプチドと呼ばれる。近年はこのペプチドの生理活性作用が注目されている。

食肉や魚由来の動物性たんぱく質から作られるペプチドには、脂肪の燃焼作用や抗酸化作用の報告が。大豆など植物性たんぱく質から発見されるペプチドでは、コレステロールや血圧上昇の抑制作用などが確認されている。

佐々木一教授
 神奈川工科大学応用バイオ科学部栄養生命科学科。明治乳業の研究員を経て、2014年より現職。研究員時代にホエイたんぱく質の抗炎症作用を発見し、病院向けの流動食として商品化。現在は乳清たんぱく質および乳清ペプチドを用いた、筋肉増強作用の解明研究を進めている。

(取材・文 中西奈美・熊 介子=日経ヘルス編集部、写真 鈴木正美、イラスト 三弓素青、グラフ作成 増田真一)

[日経ヘルス 2018年6月号の記事を再構成]

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