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常識とは一線を画すサッカー部

立川吉笑

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NIKKEI STYLE

隔週日曜に更新している師匠・談笑と私による連載企画。毎度ばかばかしい話をお伝えしてますが今回もよろしくお願い致します。

楽しみにしていたサッカーワールドカップ(W杯)が開幕して、寝不足気味の最近です。ロシアはまだ時差が少ない方とはいえ、試合を見終わってからも気持ちが高ぶっているから、なかなか眠りにつくことができないでいます。

日本代表のプレーを見ながら、どうしても思い出すのはサッカー部だった高校時代のことです。それほど強いチームじゃなかったけど3年間本気で頑張ったから、卒業して十数年たった今でもたまに部活のことを思い出します。

なぜそんなことになったのか…

なぜそんなことになったのかはいまだに解せませんが、うちのサッカー部には部員が1万4298人いました。全校生徒数は736人だったことを考えると、それより多い1万4298人がサッカー部員であることは驚異的といえます。

1万4298人のうち1軍として活動できるのは30人、その中からベンチ入りできるのはたったの20人ですから、レギュラーメンバーになるのはとても狭き門です。僕は2年の春までは324軍と325軍を行ったり来たりしていましたが、その年の夏休みに身長が4ミリも伸びたことで競り合いに強くなり、秋季大会からは1軍入りできました。それまでは友達だったボールとその頃一線を越えてしまい、ボールは彼女になったことも影響しているのかもしれません(結果的には数カ月で別れてしまったから、すぐに「ボールは元カノ」になってしまいました)。

部員数が数千人規模のサッカー部に所属していた方は誰もが納得してくれると思いますが、これだけ部員数が多いと大変なのは背番号です。

肩幅が2メートルあったゴールキーパーの松永は別として、一般的な高校生の背中に収まる番号は3桁です。

つまり999番まではユニホームを用意できますが、残りの1万3000人分が足りなくなってしまうのです。1軍じゃないから背番号は無しでいいんじゃないのか、という意見もありましたが、やっぱりみんな大事なチームメイトです。たとえ何軍であれ背番号は渡してあげたいというのが人情です。どうしたものか、みんなで会議をし、背中以外にも番号を割りふることで解決に至りました。

うちのチームには背番号「9」の選手が2人いました。武田と柳沢です。

「同じ番号の選手がいたら背番号としておかしいじゃないか!」と思われたかもしれませんが、そんなことはありません。武田も柳沢も確かに背番号が同じ「9」だから区別がつかないですが、一方で膝小僧番号は武田は「21」、柳沢は「342」と、それぞれ違うのでそこで差別化ができるのです。「背番号9、膝小僧番号21」が武田、「背番号9、膝小僧番号342」が柳沢と覚えてください。

 それじゃあ背番号は覚えずに「膝小僧番号21」が武田だと覚えればいいじゃないかと思われたかもしれませんが、そんなことはありません。なぜなら武田だけじゃなく、堀池と長谷川も膝小僧番号が「21」だからです。堀池は膝小僧番号は「21」ですが背番号は「721」です。なので、「膝小僧番号21」の選手を見つけたら次に背番号を見てください。背番号が「9」ならそこにいるのは武田、背番号が「721」なら堀池となります。

しかし、背番号が「721」だからといってそこにいるのが堀池とは限りません。なぜなら井原も背番号が「721」だからです。それでは堀池と井原の区別はどこでつくのか?それは膝小僧番号です。先述した通り堀池の膝小僧番号は「21」ですが、井原の膝小僧番号はありません。

だからと言って、「背番号721、膝小僧番号なし」が井原とは限りません。三浦(泰)も「背番号721、膝小僧番号なし」だからです。

では、井原と三浦(泰)はどこで見分けるか。それは大脳新皮質番号です。「背番号721、膝小僧番号なし、大脳新皮質番号721」が井原、「背番号721、膝小僧番号なし、大脳新皮質番号722」が三浦(泰)です。

ただし、大脳新皮質番号を確認するにはその都度、開頭手術を行う必要があるので、できれば大脳新皮質番号でなく顔つきで井原と三浦(泰)を見分ける方がベターです。

そう思うと日本代表のメンバーが1万人もいなくてよかったなと心底思えます。だって背番号だけで簡単に見分けることができるから、それだけ応援に集中できるのです。

サッカーの見どころはたくさんあります。ボールを持っている選手は当然として、その周りの選手達の動き方にも注目してください。相手の裏に飛び込む一瞬のダッシュだったり、相手ディフェンスを自分に引きつけることで味方選手が裏に飛び込むためのスペースをつくる献身的なポジショニングだったり、見えないところでの駆け引きがサッカーにはたくさんあります。

お互いに契約書を交わす必要?

そして注目すべきは試合終了後のユニホーム交換です。

相手チームとの健闘をたたえ合いながらお互いのユニホームを交換するシーンは一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。このユニホーム交換もサッカーにとっては大事なプレーの一つです。代表選手はトッププレーヤーぞろいなので難なくユニホーム交換できている選手が多いですが、僕みたいなレベルのプレーヤーが交換しようと思ってもなかなかうまくいきません。

試合終了後、みんながユニホーム交換するなか、誰とも交換できなかったらめちゃくちゃ悲しい気持ちになります。恥ずかしい気持ちにもなります。サッカー選手にとってそれは最も屈辱的なことなのです。ですから、それを防ぐため大抵の選手はハーフタイム中に相手選手と話し合いをし、「試合終了後はユニホームを交換しような」と約束しておくのです。古き良き時代は口約束で大丈夫だったのですが、こんなご時世ですから近ごろは契約書を交わすことが多いようです。野球にはないハーフタイムがサッカーにあるのは、ユニホーム交換の契約を締結するためなのです。

事前に契約することでほとんどの選手がつつがなくユニホーム交換できますが、問題は約束していた相手選手がレッドカードをもらい退場してしまった場合です。

退場させられた選手はベンチに残れませんから、試合終了後、ユニホーム交換をすることはできません。

各国のプライドをかけた戦いが続くW杯ではギリギリのプレーの連続ですから、どうしてもレッドカードが出てしまう回数も増えます。もしレッドカードが出る瞬間を目の当たりにした際は、退場させられている選手だけじゃなくて、相手チームの選手の様子にも注目してください。中に1人だけ、青ざめた表情をしている選手がいるはずです。そして、交換相手がいなくなった彼が試合終了後どうやってユニホーム交換に挑むのか、要注目です。

今回のW杯では日本代表選手が上手にユニホームを交換できることを願っています。頑張れニッポン!

立川吉笑
 本名、人羅真樹(ひとら・まさき)。1984年6月27日生まれ、京都市出身。180cm76kg。京都教育大学教育学部数学科教育専攻中退。2010年11月、立川談笑に入門。12年04月、二ツ目に昇進。古典落語のほか、軽妙かつ時にはシュールな創作落語を多数手掛ける。立川談笑一門会やユーロライブ(東京・渋谷)での落語会のほか、水道橋博士のメルマ旬報で「立川吉笑の『現在落語論』」を連載する一方、多くのテレビ出演をこなすなど多彩な才能を発揮する。

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