グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

World Food Watch

韓国式お好み焼き、チヂミはなぜ雨の日に食べる?

2018/6/19

日本では「チヂミ」の名前でおなじみだが……=PIXTA

チヂミは野菜や魚介類などを水で溶いた小麦粉に入れて混ぜ、油を敷いたフライパンなどで平たく焼いたもの。「韓国式お好み焼き」とも呼ばれ、韓国料理屋や焼肉店でもおなじみの料理である。

しかし、「チヂミ」は日本だけの呼び方で、韓国で言っても通じないのをご存じだろうか。また、韓国人は雨が降るとチヂミを食べたくなるとか。今回は、そんな日本人が知らないチヂミの話を紹介しよう。

私は韓流ブームになる前から韓国語を習っていた。というのも、2002年にサッカーワールドカップの日韓共同開催が決まり、日本から韓国に渡航する人が増えると予想されたため、その少し前に韓国旅行ガイド本の出版ラッシュがあったからだ。私はライターとしていくつかのガイドブックにかかわることになっていた。現地での取材は通訳が同行するので、実際は韓国語が話せなくても困らないのだが、少しくらいは話せたほうがいいだろうと考えたのである。

韓国語は文法も単語も日本語と似ているため、ほかの語学と比べるととても学びやすい。あるとき、韓国語の基礎的な構文を使って、先生とこんな会話になった。

先生「韓国料理を食べたことがありますか?」

私 「はい、食べたことがあります」

先生「韓国料理は好きですか?」

私 「はい、私は韓国料理が好きです」

先生「どんな韓国料理が好きですか?」

私 「チヂミが好きです」

先生「え? なんですか、それ?」

えっ、チヂミって韓国料理だと思っていたけど、韓国にはないの? 

驚く私に「それはどんな料理ですか?」と先生は尋ねた。私は辞書を引きながら、ネギやニラなどの野菜と小麦粉が入っていること、フライパンで薄く焼くことなどを説明した。

すると、「ああ! それは韓国では『ジョン』とか『プッチンゲ』と呼びます」と先生が教えてくれた。その料理自体は韓国にも存在するが、名前が違うらしい。

その後取材で韓国に行ったとき、少なくともソウルでは確かにどこのレストランのメニューにも「チヂミ」の文字はなかった。

韓国語では「単語+ジュセヨ」で「〇〇、ください」の意味になる。それを覚えた同行のカメラマンか編集者がレストランで注文する際に「チヂミ、ジュセヨ~!」と言ったこともあったが、やはり通じなかった。

取材に同行した韓国人通訳の話によれば「チヂミ」は慶尚道(韓国の南東部、現在の行政区分では慶尚北道と慶尚南道)あたりの方言ではないかとのことだった。

グルメクラブ新着記事

ALL CHANNEL