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コツコツ長期投資 実は高リスク投信ほど収益は大きい QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2018/6/20

写真はイメージ=123RF

一定額の投資信託を毎月など定期的に継続購入する積み立て投資。コツコツ投資とも呼ばれるこの手法は、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や確定拠出年金(DC)でも基本となる。長期投資で成果を出すには価格変動リスクが低い投信を選べばいいような気もするが、現実は逆の場合が多い。むしろ、価格変動リスクの高い投信を選んだ方が大きな収益につながる傾向がある。その理由を探った。

まずは、指数連動型のインデックスファンドを対象に3年前と5年前、10年前から毎月1万円をコツコツ投資したとして、収益額(保有時価評価額と投資元本の差)を試算した。各ファンドを価格変動リスクの水準を示すリスク階級で区分し、グループごとに収益額の平均と最大・最小を集計して表にした(表A)。

■リスクが高いほど高収益の傾向

リスク階級別の「平均」収益額を見ると、どの投資年数でもリスク「1」から「4」へと階級が高くなるにつれ収益額は拡大傾向にある。例えば、積立期間10年(投資元本120万円)では、リスク階級最小水準の「1」の収益の平均は約18万円だったが、リスク階級「4」では約104万円と90万円ほど多かった。

同様に積立期間5年(同60万円)では、リスク階級「1」の収益の平均は3万円弱だったが、リスク階級「4」は17万円弱と、こちらもリスクが高いほど収益が多かった。積立期間3年(同36万円)の場合も傾向としてはハイリスク・ハイリターンを示している。

具体的なファンドの収益額を見てみよう。表Bは1万円を10年間毎月積み立て投資した場合の収益額が最大と最小になったファンドを1本ずつ、リスク階級ごとにピックアップしたものだ。

例えば、野村アセットマネジメントが運用するリスク階級「4」の「京都・滋賀インデックスファンド」は収益額が126万円強となり、投資元本120万円がほぼ2倍に膨らんだ。同ファンドは、京都府・滋賀県に本社や事業拠点を置く企業で構成する株価指数に連動する。

これに対し、同じ野村アセットが運用するリスク階級「1」の「マイバランス30(確定拠出年金向け)」は収益額が38万円弱で、「京都・滋賀」とは90万円近い差が付いた。両ファンドは積立期間5年の収益額を比べても、約34万円と約6万円、積立期間3年でも約12万円と約2万円と、ハイリスクの「京都・滋賀」の方が高収益だ。

■元本割れ時の損失額は大きくなる

ただ、高収益といってもそれは長期投資をした結果であり、投資を開始してからの間ずっとプラス収益だったということではない。現在に至るまでの収益の状況をリスク階級ごとに比較して見てみよう。表Bには、各ファンドについての「期間内での収益額の最低値」、表Aにはそのリスク階級ごとの平均値を併記した。

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