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白河桃子 すごい働き方革命

働き方改革の原点は社員の呼び名 ロート社長の挑戦 山田邦雄ロート製薬会長兼CEO(上)

2018/7/4

ロート製薬の山田邦雄会長兼最高経営責任者(CEO)

 2016年に発表した、社内外との「副業解禁」制度が注目されたロート製薬。主力商品に力がある老舗企業は変革が遅れがちですが、山田邦雄会長兼最高経営責任者(CEO)は4代目にして過去最高の収益を上げる経営者。会社の主力製品を目薬や胃腸薬などの一般医薬品からスキンケアにシフトしてきました。その成功の背景には、社長時代に導入した社員の「あだ名呼び」、幹部を通路側に座らせるオープンなオフィスなど、社風や働き方を変える取り組みがあったそうです。山田会長に聞きました。

■働き方改革は呼び方の変更から

白河桃子さん(以下、敬称略) 「社外チャレンジワーク」という社外での副業、「社内ダブルジョブ」という社内での兼業を認める人事制度改革が話題になりました。でもロート製薬については、山田会長が社長になられたころからの変化にずっと注目していました。ロートといえば目薬や胃腸薬という一般用医薬品(OTC)のイメージですが、もう目薬が主力の会社ではないんですよね?

山田邦雄会長(以下、敬称略) 目薬のVロート、胃腸薬のパンシロンというのが二枚看板で、その後にメンソレータムの扱いも始めました。やっぱり良くも悪くもこのメインの商品が非常に強かったので会社も大きくなった。しかし商品が立派だと、守りに入るんです。現実を見れば、シェアもピーク時に比べるとじわじわと下がってくるし、市場そのものが小さくなっている。これにしがみついても、大きく展望が開けないなと、スキンケアをいろいろやりはじめた。今は売上高の6割以上がスキンケア関連品、また4割近くを海外売上高が占めています。

白河桃子さん

白河 私が大学の授業で使ったテレビ番組の録画(2013年放送の「カンブリア宮殿 」)があるのですが、ロート製薬が「肌ラボ 極潤」シリーズのプチプラコスメ(手ごろな価格帯の化粧品)を開発して大ヒットしたことを取り上げています。パッケージはシンプルにして、安くて、ヒアルロン酸がたっぷり入っている方がいいなどと女性のアイデアを中心に開発した。印象的でした。若い女性たちが堂々と会長に意見を言っていて、「働き方改革」で今多くの企業が右往左往しているようなことを一歩先にやっていたんです。

山田 社員はみな、「ロートネーム」という呼び名をつくって、社員証にも入れる。僕は「会長」ではなく「邦雄さん」と若い社員にも呼ばれています。新しい事業をやることになると、昔からの発想ではだめなのでね。新しい人、特に若い人に来てもらって、彼らに活躍してもらわないといけない。

 そこで、若い人の目線からみるとピラミッドで部長、本部長ってそっくりかえっているようなのは、いかにも古いなあと思ったんですよ。先輩層にはもちろん違和感もある。僕の父も「ええ、名前で呼ぶのか」みたいな(笑)。

 でも、事業戦略や製品について議論するのに、立場なんて関係ない。最終的には責任ある人間が決めるけれど、その前に議論やコミュニケーションが必要です。役職によって発言が制約されるというのは誰にとってもいいことじゃないと思っていました。

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