大学改革も永守流 「京都学園大は10年で私学トップ」京都学園の永守重信理事長に聞く(上)

理事長就任を発表したのは16年度末の17年3月。翌17年度に募集した18年度の経済経営学部の志願者数は、前年度に比べて60%増と急増。早くも「永守効果」が表れた。

経営者として見せてきた永守氏の手腕が、大学運営にどう生きるか。注目が集まりそうだ

理事長就任が決まるや否や、永守氏は正式就任を待たずに始動。19年度に大学名を「京都先端科学大学」に変えることを決定。翌20年度にモーターエンジニアを養成するための「工学部電気機械システム工学科」(仮称)を新設する構想を発表した。モーターエンジニア養成のための専門学科は全国初という。同時に、必要な教員の採用、最新の研究設備の導入などのため、私財100億円以上を寄付することも明らかにした。

改革案には、経営者として世間をアッと言わせてきた永守氏らしい仕掛けやアイデアも盛り込まれている。一例が、京都府亀岡市にある亀岡キャンパスを再開発し、EVのテストコースやドローンの実験場を建設する計画だ。「経営者は若者に夢を与えることが大切」と永守氏はその意義を強調する。

偏差値教育を打破

永守氏が大学経営に乗り出したのは別の理由もある。それは、功なり名遂げた企業家としての矜持だ。

個人資産6000億円とも言われる永守氏のもとには、様々な団体から寄付の要請が引っ切り無しだ。だが永守氏は、寄付の対象は原則、教育と医療関連と決めているという。「家庭で一番困っていることは、子供の教育と家族の病気」と考えるからだ。実際、14年には、永守財団の設立とは別に、がん治療用の陽子線治療施設を建設する目的で、京都府立医科大学に70億円を寄付している。

その永守氏が教育者として掲げるのが、「偏差値教育の打破」だ。「企業経営者として、日本の偏差値教育の弊害を非常に感じている」と話す永守氏は、持論を一気に展開した。

「日本電産は毎年、様々な大学から数多くの学生を採っているが、それでわかったことは、仕事ができるかどうかは出身大学の偏差値とは何の関係もないということ。偏差値の低い大学の出身者でも仕事のできる人は多いし、逆に偏差値の高い大学を出ても仕事のできない人は少なくない。昔から薄々感じていたことだが、毎年、何百人という新卒者を採用してきた経験から、今は自信を持って偏差値教育はよくないと断言できる」。

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