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京都学園の理事長として、矢継ぎ早の改革を打ち出してきた日本電産の永守重信会長兼社長

京都学園の理事長として、矢継ぎ早の改革を打ち出してきた日本電産の永守重信会長兼社長

日本電産の永守重信会長兼社長の理事長就任を機に、大きく変わり始めた京都学園大学(京都市)。100億円を大幅に超える私財を投じる永守氏が目指すのは、世界大学ランキングで東京大学、京都大学に次ぐ大学ナンバー3の座。一見、無謀にも見えるが、日本電産を一代で世界No.1の総合モーターメーカーに育て上げたカリスマ経営者は、「実現は十分可能」と自信を見せる。

日本初、モーターエンジニア養成コースも

「君たちがどこの大学に落ちてここに来たのかは知らないが、落ちたことなんて気にするな」。4月1日、入学式であいさつに立った新理事長は、「永守節」全開で新入生に檄(げき)を飛ばした。

全国約600校のうち4割が定員割れを起こすなど、少子化の影響で冬の時代を迎えている私立大学。比較的歴史が浅く、知名度で伝統校に劣る私大は、とりわけ厳しい立場に立たされている。

2019年に創立50周年を迎える京都学園大も例外ではない。12年に田辺親男・前理事長が就任するまでは、定員割れがしばらく続いた。15年に設立した健康医療学部が人気となり、一時に比べると状況は好転。しかし、厳しい競争に勝ち抜くには、さらに改革を進める必要に迫られていた。

そこで大学側が白羽の矢を立てたのが、日本電産を一代で時価総額5兆円を超える世界一のモーターメーカーに育て上げた京都出身の永守氏。

永守氏はかねて、電気自動車(EV)やロボットの本格普及などで、近い将来、国内のモーターエンジニアが大幅に不足する事態を予想。危機感を抱き、14年に私財を投じて「永守財団」を設立。さらに17年には日本電産が2億円強を寄付し、京大大学院にモーターの寄付講座を開設するなど、必要な人材の育成にいち早く乗り出していた。

モーターおよび周辺技術のエンジニア養成のための単科大学の創設も計画し、京大の近くに3万坪の土地も購入。ところが、ちょうどそのころ、田辺前理事長から次期理事長就任を打診される。企業買収をテコに会社を成長させてきた永守氏にとって、田辺氏からのオファーは、大学経営に参入する絶好のチャンスと映った。

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