株投資 アマの強み生かせばプロに勝てる(苦瓜達郎)大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

写真はイメージ=123RF
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「機関投資家には処理しきれないぐらい多くの情報がもたらされるが、必ずしも投資に役立つ情報とは限らない」

前回まで私の投資手法を紹介してきました。私は株式評論家ではなくファンドマネジャーなので、基本的に自分のやっていることしかお話しできません。個人投資家の方に参考にしていただければ幸いですが、そのまま実践するのは難しいでしょう。

なぜ難しいのか。今回はプロとアマチュアの本質的な立場の違いについて考えてみたいと思います。

プロのようにお金をもらって業務時間中に投資活動を行うのと、アマのようにお金を払い限られた時間で投資活動を行うのとの差は、当然ながらとても大きなものです。

プロとアマの本質的な違いは「量」

両者の本質的な違いは「量」だと思います。株式売買の件数も、市場への接触時間も、機関投資家と個人投資家(専業デイトレーダーを除く)では比較になりません。投資に関連する情報も、機関投資家には処理しきれないぐらいの量が自動的に提供されます。

量をこなすだけで上達する部分というのは確かに存在します。初歩的なミスの防止とか、単純で出現頻度の高い相場パターンの認識といった面では、どんなプロでも一定以上のレベルに達していると考えていいでしょう。

しかしながら、アナリストや営業マンからもたらされる情報や、仲間内での噂話に関しては、多ければいいというものではありません。それらの中で、実際の投資に生かすことができて、しかも良好な結果に結びつくものはほんの一握りにすぎないからです。優秀ではあってもどうにも相性の悪い情報提供者や、よこしまな意図を持って情報を流す人物も存在するので、流されないようにするだけでも一苦労です。

プロとはいえ、量を超えた「質」の部分に関しては必ずしも有利というわけではありません。私の場合、年間約900件の上場企業の取材を行い、累積では2900社以上の関係者とお会いしていますが、ここまで徹底して調査に打ち込める状況にある機関投資家の数は多くないでしょう。

また、個々の取材でも短期の株価動向に直結する情報を教えてもらえるわけではなく、それ単独では必ずしも投資の役に立たない情報を積み上げていくだけなので、何らかの方法論をもって取材を行うのでなければ、量を質に転化することはできないでしょう。

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