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「ヘリコプターマネーは究極の景気浮揚策であり、デフレ脱却のための最終兵器」と説く

「ヘリコプターマネーは究極の景気浮揚策であり、デフレ脱却のための最終兵器」と説く

景気の回復局面は6年目に入ったが、デフレ脱却は道半ばといわれる。一方、「体感物価」の上昇で消費者の間には、なお生活防衛・節約志向が根強い。そんななか、景気をよくする「禁断の劇薬」ともいわれるヘリコプターマネーが経済に及ぼす効果を基礎から解説し、導入を勧めるのが今回の書籍「ヘリコプターマネー」だ。人工知能(AI)が進化し、多くの人間の仕事をロボットなどが担うようになる未来の経済政策としても有効だという。

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井上智洋氏

井上智洋氏

著者の井上智洋さんは1975年生まれ。慶応義塾大学環境情報学部を卒業した後、早稲田大学大学院経済学研究科で学び、2011年に経済学の博士号を取得しました。17年からは駒沢大学経済学部の准教授を務めています。専門はマクロ経済学で、著書に「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」(文春新書)などがあります。

お金をばらまけば、景気はよくなる?

ヘリコプターマネーとは、政府や中央銀行があたかも空からばらまくように大量の貨幣を発行して市中に供給するような政策です。「インフレに歯止めがかからなくなる」などとして導入に否定的な経済学者が多い半面、「日銀の金融緩和は、すでにヘリコプターマネーの色彩を帯びてきている」との指摘もあります。一般的には「空からばらまく」という語感のせいもあって、どこか疑わしい印象を持つ人が多いのではないでしょうか。

 好況や不況は様々な要因が複合的に絡み合ってもたらされている。と言うと確かにそうだとみなさんは同調するかもしれない。ところが、私から言わせると重要な要因はひとつしかない。それは世の中に出回るお金の量である。
 お金の量が十分多ければ好況がもたらされ、少なければ不況がもたらされるのである。 (はじめに 8ページ)

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