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食中毒、実は多い鶏肉由来 焼き鳥も要注意 Dr.今村の「感染症ココがポイント!」

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2018/6/19

カンピロバクターは肉の表面に付着しているとはいえ、ひき肉などは加工する際に表面の肉が全体に混ぜられます。ですから、ひき肉を使ったつくねや肉団子などは、中までしっかり火を通す必要があります。

――なるほど、表面をしっかり加熱していれば問題ないのは、ひき肉以外の肉の場合で、ひき肉は中までしっかり火を通す必要があるんですね。

そうです。ちなみに中までしっかり火を通すというのは、中心部の温度が75度以上で、1分間以上の加熱を目安にしてください。これは、腸管出血性大腸菌O157による食中毒の予防にもいえることです。腸管出血性大腸菌O157は牛の腸の中に多く見られ、鶏肉と同じように、食肉に加工する段階で汚染されます。そのため、生で食べるユッケやレバ刺しなどは大規模な食中毒の発生をきっかけに禁止されました。

表面をしっかり焼いたレアステーキなら食中毒を発症するリスクは低いですが、同じステーキと呼ばれるものでも、端肉などを結着剤で固めた成型肉を使ったものは、中まで十分に火を通す必要があります。そのほかハンバーグも、中身が赤く焼け残っているものはリスクがあります。

■バーベキューでの生焼け、トングの使い回しはNG

――鶏肉や今話に出てきた牛肉といえば、夏祭りや音楽フェスといった野外イベント、キャンプなどのアウトドアレジャーで、バーベキューや串焼きといった形で食べる機会も多いです。注意すべき点はありますか?

一般的に、野外イベントに出店している飲食店は、普段の衛生環境とは異なるうえに、短時間で多くのメニューを提供するため、衛生管理に慣れていない臨時スタッフが調理しているケースもあり、食中毒の発生リスクが高まります。

また、アウトドアレジャーでバーベキューを楽しむときなどは、クーラーボックスに食材を入れていたとしても、取り出せば菌が急速に増えていきます。アルコールを飲んだり、会話を楽しみながら焼いていると、生焼けのまま肉を食べてしまったり、生肉をつかんだトングや箸でほかの食材を扱ったりすることも多くなります。

野外では気持ちも開放的になりますから、食べ物には十分気をつけてください。

――「食中毒かも」と思ったときは、どうすればいいですか?

細菌に汚染されたものを食べたからといって、すべての人が食中毒を発症するわけではなく、そのときの菌量やその人の免疫の状態などによっても発症するリスクは異なります。

カンピロバクターで発症する場合は、原因となるものを食べてから2~5日程度で、下痢やおう吐、腹痛、発熱といった症状が起こります。カンピロバクターによる食中毒は症状が比較的強く、下痢に血液が混ざったり、高熱が出たりすることがあります。また、まれではあるものの、手足のまひのほか、筋力や呼吸機能の低下などを引き起こす「ギラン・バレー症候群」という重い合併症を起こすこともあります。

原因となる菌が何にせよ、食中毒の症状が出ても軽ければ、自然に回復していきます。ただ、下痢やおう吐で脱水にならないように、水分を少量ずつこまめに補給するようにしてください。下痢によって病原菌がより早く排出されやすくなるので、下痢止めの薬はなるべく使わない方がいいでしょう。

小さなお子さんや高齢者は脱水で重症化しやすいため、水分がよくとれていない様子があれば、受診することをお勧めします。大人でも症状がつらかったり、水分が十分にとれないようなら受診を。その場合は、脱水の改善のために点滴をしたり、腹痛やおう吐などの症状に対する治療を行ったりします。

カンピロバクターによる食中毒は、原因となる鶏肉に十分に火を通せば避けられます。お話ししたようなリスクを知った上で、上手に食べていただければと思います。

(ライター 田村知子 作図 増田真一)

今村顕史さん
がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長。1992年浜松医科大学卒業。駒込病院で日々診療を続けながら、病院内だけでなく、東京都や国の感染症対策などにも従事。日本エイズ学会理事などの様々な要職を務め、感染症に関する社会的な啓発活動も積極的に行っている。自身のFacebookページ「あれどこ感染症」でも、その時々の流行感染症などの情報を公開中。都立駒込病院感染症科ホームページ(http://www.cick.jp/kansen/)。

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