通信量の目安は3GB 携帯「段階プラン」で得する人佐野正弘のモバイル最前線

一方で、MVNOと比較した場合はどうなのだろうか。代表的なMVNOの例として、インターネット・イニシアティブの「IIJmio」と、ケイ・オプティコムの「mineo」、そして同じく段階制を採用している、エキサイトの「エキサイトモバイル」の料金プランのデータ通信料を一部ピックアップしてみたのだが、キャリアが段階制プランを導入してもなお、料金面ではやはりMVNOが圧倒的に優位性があることが分かる。

MVNOのデータ通信料金例

端末値引き「なし」なら3社の料金差は小さい

さらに3社の段階制プランの料金を比べてみると、NTTドコモの「ベーシックパック」の料金がやや高いことが分かる。その原因は、端末購入時の値引きの有無にある。

ソフトバンクの「おてがるプラン」の場合、ソフトバンクが指定する対象機種を購入することが条件の一つとなっている。その対象機種は「iPhone SE」「Android One S3」など5機種で、iPhone SEを除けばいずれも3万円前後と比較的低価格なモデルだが、その代わり「月月割」などの端末値引きは受けられず、安価に購入するには48カ月と長期の割賦を組む必要がある。

また「auピタットプラン」も、端末購入時の値引きが受けられなくなる。毎月の端末代金を抑えるとしたら48カ月の長期の割賦で購入するしかない。25カ月目以降に機種変更したときに、残りの端末代金が無償になる「アップグレードプログラムEX」(月額390円)が提供されているが、実質的に従来以上の長期間契約が必要になる。

一方NTTドコモのベーシックパックだけは、従来同様端末購入時に「月々サポート」などの値引きが受けられる。その分、月額料金が高めになっているわけだ。指定した機種に買い替える代わりに、毎月の通信料が1500円値引きされる「docomo with」を適用すれば、他社のプランと同等の料金になることは覚えておきたい。つまり実質的には3社の料金には大きな違いはない。

なお、ソフトバンクのおてがるプランには毎月の料金が1000円引きになる「おてがるプラン専用割引」がある。ただし、初めてスマホに買い替えた人にはずっと適用されるものの、既にスマホを利用している人がおてがるプランに変更した場合は、適用期間が1年間に限られる。

このように、端末購入の有無や値引き期間の違いなど、大手3社の段階制プランには複雑で分かりにくい部分があるのは確かだ。そうした仕組みに不満があり、シンプルに料金を下げたいならMVNOを選ぶのもいいだろう。

だが一方で、携帯大手のサービスは通信品質面では大きなメリットがあるし、付加サービスの充実度も高く、価格からは見えないメリットが多くあることも忘れてはならない。大手3社の段階制プランを選ぶか、それでもMVNOに乗り換えるかは、双方のメリット・デメリットをてんびんにかけて検討する必要がある。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。
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