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通信量の目安は3GB 携帯「段階プラン」で得する人

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

携帯大手3社は2017年から18年にかけて、毎月のデータ通信量に応じて月額料金が変わる、段階制のデータ定額プランを提供している。利用量に応じて料金が変わるため無駄が生じにくく、契約数も伸びている。ただ、データ通信量が多いユーザーには別のプランのほうがいいなど、やみくもにこのプランを選ぶのは考え物である。

大手3社の段階制プランが出そろう

段階制のデータ定額プランは、その月のデータ通信量が1GB未満の場合は1GBまでの料金、2GB未満だった場合は2GBまでの料金といったように、その月に使用したデータ通信量に応じて支払う料金が変化するというものだ。毎月の料金と最大通信量が固定されている従来のデータ定額プランと違って、料金の無駄が発生しにくいのが特徴となっている。

大手3社の段階制データ定額プランは、17年7月にKDDI(au)が「auピタットプラン」で導入した。1GBから20GBまでの5段階で料金が変化する仕組みが注目を集め、同月に提供を開始した20GB以上の大容量通信ができる「auフラットプラン」と合わせた契約数は、18年4月8日時点で700万を突破している。正確な内訳は不明だが、KDDIの決算資料などからは過半数がauピタットプランを選択しているとみられ、急速に利用者を増やしている。

同様のプランを採用する動きは他社にも広まっている。NTTドコモは段階制となるデータ定額サービス「ベーシックパック」(単身向け)と「ベーシックシェアパック」(家族向け)を18年5月から提供を開始。ベーシックシェアパックは、家族全体で使った通信量(最大30GB)に対して、4段階で料金が変化する。また同月、ソフトバンクも「おてがるプラン」で段階制を採用すると発表した。

なぜデータ定額プランに段階制を採用する動きが広まったのか。そこには格安スマートフォン(スマホ)を販売するMVNOや携帯大手のサブブランドなど、低価格でスマホが利用できる通信サービスが急台頭し、通信料が高い大手3社のメインブランドから顧客を奪うようになったことが大きく影響している。

NTTドコモの吉沢和弘社長は4月28日の決算会見において、ベーシックパックなどの導入経緯について「利用者を分析する中で、通信料が少ない人が番号ポータビリティーで転出する兆候が少し強くなっていた」と話している。売り上げが落ちても、低価格のサービスを充実させる必要があったわけだ。

もう一つ、大きな影響を与えたと考えられるのが総務省の動向だ。総務省が開いた有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の報告書において、大手3社に対してユーザーの利用実態に合わせた適正な料金プランを提供するよう要請すべき、と書かれている。段階制プランはその意向にも沿っている。

毎月3GBを超えるなら上位プランの方がお得に

実際に3社の段階制定額プランから、データ通信料金のみを抽出してみると、いずれも1GBの通信料が3000円未満に抑えられており、3GBでも4000円以下と、比較的安価に設定されている。あまりデータ通信をしない人達のニーズに応えた内容となっていることは確かだろう。

ではこれらの段階制の定額プランが、各社がこれまで提供してきた小容量の定額プランと比較して、どの程度お得になっているのだろうか。プランによって通信容量や端末値引きの有無などに違いがあるため単純に比較するのは難しいのだが、毎月の通信料に限るなら、おおむね3GBまでの小容量であればある程度安くなることは見て取ることができるだろう。

しかしこれが5GB以上のプランと比べると状況は大きく変わってくる。5GBまでは従来のプランとほぼ同等なのだが、それを超えると大容量の定額プランのほうが明らかにお得なのだ。

特にauの場合、auピタットプランで3GBを超えた場合と、20GBの通信量が利用できる「auフラットプラン20」との料金差が20円しかないため、毎月の通信量が3GBを超えているなら、後者を選んだほうが圧倒的にお得だ。そうしたことを想定してか、ソフトバンクはおてがるプランのデータ通信量上限を3GBに設定しており、大容量プランとの明確な差異化を図っているようだ。なお、各社の段階制プランでは、通信量が上限に達した場合は、これまでのプランと同様に通信速度が低下する仕組みとなっている。

ゆえに3社の段階制の定額プランは、毎月の通信量が3GBを超えているかどうかが大きな分かれ目となっていることが分かる。ここで考えたいのが、通勤時など外出先でどのくらい動画を見るかということ。画質にもよるが映画1本で1GB以上を消費することも多い。逆に外出先で動画をほとんど見ないなら毎月の通信量は3GB以内に収まるはずだ。もし外出先でも動画を満喫したいなら、より上位のプランに乗り換えて大容量通信を心ゆくまで楽しんだほうがお得といえるかもしれない。

一方で、MVNOと比較した場合はどうなのだろうか。代表的なMVNOの例として、インターネット・イニシアティブの「IIJmio」と、ケイ・オプティコムの「mineo」、そして同じく段階制を採用している、エキサイトの「エキサイトモバイル」の料金プランのデータ通信料を一部ピックアップしてみたのだが、キャリアが段階制プランを導入してもなお、料金面ではやはりMVNOが圧倒的に優位性があることが分かる。

端末値引き「なし」なら3社の料金差は小さい

さらに3社の段階制プランの料金を比べてみると、NTTドコモの「ベーシックパック」の料金がやや高いことが分かる。その原因は、端末購入時の値引きの有無にある。

ソフトバンクの「おてがるプラン」の場合、ソフトバンクが指定する対象機種を購入することが条件の一つとなっている。その対象機種は「iPhone SE」「Android One S3」など5機種で、iPhone SEを除けばいずれも3万円前後と比較的低価格なモデルだが、その代わり「月月割」などの端末値引きは受けられず、安価に購入するには48カ月と長期の割賦を組む必要がある。

また「auピタットプラン」も、端末購入時の値引きが受けられなくなる。毎月の端末代金を抑えるとしたら48カ月の長期の割賦で購入するしかない。25カ月目以降に機種変更したときに、残りの端末代金が無償になる「アップグレードプログラムEX」(月額390円)が提供されているが、実質的に従来以上の長期間契約が必要になる。

一方NTTドコモのベーシックパックだけは、従来同様端末購入時に「月々サポート」などの値引きが受けられる。その分、月額料金が高めになっているわけだ。指定した機種に買い替える代わりに、毎月の通信料が1500円値引きされる「docomo with」を適用すれば、他社のプランと同等の料金になることは覚えておきたい。つまり実質的には3社の料金には大きな違いはない。

なお、ソフトバンクのおてがるプランには毎月の料金が1000円引きになる「おてがるプラン専用割引」がある。ただし、初めてスマホに買い替えた人にはずっと適用されるものの、既にスマホを利用している人がおてがるプランに変更した場合は、適用期間が1年間に限られる。

このように、端末購入の有無や値引き期間の違いなど、大手3社の段階制プランには複雑で分かりにくい部分があるのは確かだ。そうした仕組みに不満があり、シンプルに料金を下げたいならMVNOを選ぶのもいいだろう。

だが一方で、携帯大手のサービスは通信品質面では大きなメリットがあるし、付加サービスの充実度も高く、価格からは見えないメリットが多くあることも忘れてはならない。大手3社の段階制プランを選ぶか、それでもMVNOに乗り換えるかは、双方のメリット・デメリットをてんびんにかけて検討する必要がある。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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