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がんってどんな病気? なぜ体に悪いの?

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NIKKEI STYLE

スーちゃんテレビでがんに苦しんでいる患者(かんじゃ)さんを見たよ。日本人の半分が一生のうちに1回はがんになるんだってね。なぜそんなに多くの人ががんになるのかな。がんはどうやってできて、何で体に悪いんだろう。治す方法はあるのかな。

細胞が増えすぎて、体の働きを邪魔するんだ

森羅万象博士より人間の体は目に見えない小さな「細胞(さいぼう)」が集まってできている。皮膚(ひふ)や筋肉(きんにく)、脳(のう)や心臓(しんぞう)もすべて色々な種類の細胞がたくさん集まったものなんだ。1人の体には、37兆個もあるといわれているよ。例えば、世界に住む全ての人の数が約75億人だから、その5000倍にもなるんだ。

一つ一つの細胞には寿命(じゅみょう)がある。死んで減った分を補(おぎな)うため、小腸や大腸、皮膚や赤血球などそれぞれの細胞は「細胞分裂(さいぼうぶんれつ)」ということをして数を増やすんだ。1個の細胞が分かれて2個になり、さらに4個になるということをくり返すんだ。

増える速さは細胞によって違う。細胞の中にある「遺伝子(いでんし)」が関係しているんだ。遺伝子には人間の体をどう作るかを決める情報がつまっている。人間には2万5000個もの遺伝子があるよ。正常な細胞は遺伝子にしたがって正しい速さで増える。おかげで人間は、体や内臓(ないぞう)などの形や働きを保ったまま生活できるんだ。

がん細胞はこの遺伝子の情報がおかしくなることで生まれるんだ。がん細胞は正常なときとはちがって、細胞分裂をくり返してどんどん増殖(ぞうしょく)する。それが大きなかたまりになって、目に見えるほどの大きさのがんになるんだ。

がんは食道や胃、腸、心臓(しんぞう)や骨など体の様々な場所にできる。脳や血液のがんもあるんだよ。日本人で多いのは、男性では胃、肺、大腸。女性では乳房(にゅうぼう)、大腸、胃のがんが多いよ。がんができた場所は正常な働きができなくなって、体全体の健康を維持(いじ)することが難(むずか)しくなってくる。がんが大きくなって症状(しょうじょう)が悪化すると、亡(な)くなることもある。日本人の3人に1人はがんで亡くなる。たいへん大きな病気なんだ。

 実は、人間の体では毎日、目に見えない小さいがんがいくつもできているんだ。それでもすぐに体がおかしくならないのは、遺伝子の傷(きず)を元通りに治す力が、体にもともとあるからなんだ。だけど、傷が多すぎると治しきれず、遺伝子がおかしなままになり、がんができる。年をとるほど遺伝子の傷を治しきれなくなって、がんになる可能性が高まるんだ。

がんのなりやすさには、いろいろな原因が関係しているよ。たばこやお酒、塩分をたくさん体に入れたりすると、遺伝子に傷が付きやすくなる。放射線(ほうしゃせん)や紫外線(しがいせん)も悪い影響(えいきょう)があるよ。特に場所によっては深く関係するものが分かっているんだ。胃がんはピロリ菌(きん)という細菌によって起こる場合がほとんど。女性がなる子宮けいがんは「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが大きな原因なんだ。

日ごろの生活習慣も影響しているよ。まず悪いのはたばこ。自分がすわなくても、他の人がすったたばこの煙(けむり)をすうだけでも悪影響(あくえいきょう)がある。肺だけでなく胃、すい臓(ぞう)など様々ながんになる可能性を高めてしまうんだ。お酒の飲み過ぎは食道、肝臓(かんぞう)、大腸のがんにつながる。塩からい食べ物をひかえることも大事だよ。

がんを治すときには、がんを取りのぞく手術をしたり、抗(こう)がん剤(ざい)や放射線(ほうしゃせん)を利用してがんを攻撃(こうげき)してたおしたりするよ。早いうちに見つかれば治る可能性は高い。

だからできるだけ予防し、早く見つけることが大切なんだ。胃がんを起こすピロリ菌が体にいないか検査し、いたときは退治する治療(ちりょう)を受ける。肝臓に悪影響をおよぼす肝炎(かんえん)ウイルスも調べる。子宮けいがんを起こすウイルスの予防接種もあるよ。

大人になったら、がんの検診(けんしん)を受けよう。子宮けいがんは20歳(さい)以上の女性、乳(にゅう)がんは40歳以上の女性、胃や肺、大腸は40歳以上の男女に、国は検診をすすめている。心配な人はお医者さんに相談するといいよ。インターネットや本などには、がんについて様々な情報がのっている。中にはまちがったものもあるので、複数のお医者さんに話を聞いて確かめるのが大切なんだ。

遺伝子から最適の治療探る



博士からひとこと胃や肺など同じ種類のがんでも、患者ごとに薬の効き目は異(こと)なる。がん細胞の遺伝子の変異(へんい)や働き方にわずかな違いがあるからだ。既存(きぞん)の抗がん剤は、遺伝子が作るたんぱく質に働くタイプが多く、遺伝子に変異などが起きれば薬が効きにくくなる。近年、薬を使う前に患者の変異などを調べることが、治療成績を上げるのに重要なことが分かってきた。
 日本でも、がんや血液中の多数の遺伝子の変異などを調べ、その人に合った治療薬を探(さが)す「がんゲノム医療」が始まった。国立がん研究センターは4月から、がん組織の114種類の遺伝子変異を調べる先進医療を開始。開発中の新薬候補や他の病気の薬などから最適の治療薬を探す。早ければ2019年度にも保険適用される可能性がある。企業(きぎょう)では、中外製薬が米企業の検査技術の製造販売(せいぞうはんばい)を国に申請済(しんせいず)みだ。がんゲノム医療が普及(ふきゅう)すれば患者の治療成績が改善(かいぜん)し、医療費抑制(いりょうひよくせい)にもつながると期待されている。

(国立がん研究センター研究所の河野隆志・ゲノム生物学研究分野長に取材しました)

[日本経済新聞夕刊2018年6月9日付]

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