マネー研究所

Money&Investment

年金、繰り下げ受給の心得 「基礎のみ」が得な場合も 妻が年下、夫が厚年繰り下げで「加給」消失

2018/6/17

写真はイメージ=PIXTA

 マネーセミナーに出席した良男は、公的年金の受給開始時期を繰り下げると、もらい始めた後は金額が増えるという話を聞きました。夕食の席で「私も将来は繰り下げるぞ」と宣言した良男に、幸子は「注意点もあるのよ」と諭します。

筧良男 年金の受給開始年齢は原則65歳。だけど繰り下げると1カ月あたり0.7%増えるんだってな。5年間繰り下げると42%増だ。逆に繰り上げをすると月に0.5%ずつ減るらしい。目先の受給を重視して繰り上げする人の方が今も多いけど、最近は「繰り下げ派」もじわり増えているらしいよ。

筧恵 でも繰り下げた5年分、つまり65~69歳は年金をもらえないでしょ? それを増えた年金で取り戻すには長生きしなきゃいけないんじゃない?

良男 その点も説明を聞いたよ。計算上は何歳まで繰り下げた場合でも、もらい始めてから11年と11カ月以上生きれば元をとれるらしい。繰り下げのいわば「損益分岐年齢」は、受給開始後約12年ってわけだ。70歳まで繰り下げるなら81歳を超えて生きれば有利ってこと。厚生労働省の将来予測だと、2050年には男性の半分が87歳、女性の半分が93歳まで生きるようになるそうだから、多くの場合は繰り下げはお得だな。

筧幸子 でも繰り下げ受給には注意点もあるのよ。例えば年金の家族手当ともいえる「加給年金」。厚生年金の被保険者期間が20年以上ある夫が原則65歳になったとき、一定条件の妻がいれば、妻が65歳になるまで支給されるの。金額は夫の生年月日で変わるけど、多いのは年38万9800円よ。この加給年金が、夫が繰り下げ受給をするともらえなくなることがあるの。

 妻が65歳になるまでというと、年齢差が大きいほど本来は長くもらえるわね。

幸子 そうよ。例えば夫婦が同じ年齢だったり妻が年上だったりすると、夫は加給年金はないわ。でも例えば妻が5歳年下だと、本来なら妻が65歳になるまで約39万円が5年分もらえるの。繰り下げ受給でこれが消えちゃうのは痛いわね。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL