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世界初、クモの調教に成功 台から台へ大ジャンプ

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/6/22

ナショナルジオグラフィック日本版

英マンチェスター大学の研究チームがハエトリグモの一種であるリーガルジャンピングスパイダーのメス「キム」を調教して、ジャンプさせることに成功した。もちろん世界で初めてのことで、研究結果は「Nature Scientific Reports」誌に発表された。

クモは1週間に1度ほどしか食事を摂らない。そのため、犬のようなペットとは違って、餌で動機づけすることは難しい。難題が山積みの中、クモの訓練が行われた。

研究を率いたモスタファ・R・A・ナバウィー氏は「キムは週に1匹しかコオロギを食べません。ですから、訓練に脳の報酬系を条件づけに利用することはできないのです」と話す。「もし餌を使って調教したら、餌を与えたときしかジャンプしてくれないでしょう。これでは、1週間に1度しかジャンプさせられません」

そこでナバウィー氏たちは、クモを持ち上げて、離れた台に移すことにした。この作業を繰り返すと、キムは条件づけられて、人間の手助けなしでジャンプするようになった。ナバウィー氏らはクモのジャンプの様子を、ハイスピードカメラと3D-CTスキャナーで正確に記録した。

その結果、ジャンプの瞬間、クモの脚には体重の5倍の力がかかっていることがわかった。キムが静止状態から、体長の6倍を超える距離をジャンプできるのはこの脚の力のおかげだ。人間は止まった状態からだと、せいぜい身長の1.5倍しかジャンプできない。

またナバウィー氏たちを驚かせたのは、クモのジャンプの精度。「一度も失敗しませんでした。成功を確信してジャンプしていました」。ナバウィー氏たちはキムのジャンプから、クモのジャンプの生体力学を解明し、マイクロロボットの開発に応用したいと考えている。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年5月14日付記事を再構成]

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