ポルシェのEV、20年日本に 新カイエンはPHEVも

日経トレンディネット

2018年のジュネーブモーターショーで公開されたミッションEのクロスオーバーコンセプト「ミッションE クロスツーリスモ」(写真提供:ポルシェ)
2018年のジュネーブモーターショーで公開されたミッションEのクロスオーバーコンセプト「ミッションE クロスツーリスモ」(写真提供:ポルシェ)

ポルシェ ジャパンは、ポルシェ初の電気自動車(EV)「ミッションE」を、2020年から日本で発売すると明言した。併せて、今後のEVへの取り組みを明らかにした。

800Vの駆動バッテリー、600ps以上

ミッションEは、2015年のドイツ・フランクフルトモーターショーで初公開された。四輪駆動(4WD)の4人乗り4ドアクーペで800Vの駆動バッテリーを搭載し、航続距離は500km以上をうたう。専用の急速充電「ポルシェ・ターボ・チャージング」を使用することで約80%まで15分で充電可能。ワイヤレスチャージングにも対応している。

最高システム出力は、2個の高出力モーターにより600ps以上を誇る。0-100km/h加速は3.5秒とパワフルで、サーキット走行も可能。ドイツの名門サーキットコースである「ニュルブルクリンク北コース」でのラップタイムは8分を切るという。

なおミッションEは2015年から3年連続でル・マン24時間レースを制したレーシングカー「919ハイブリッド」や、2011年に発売されたプラグインハイブリッドのスーパーカー「918スパイダー」の技術を受け継いでいるというだけに、ポルシェらしいスポーツEVとなるのは間違いなさそうだ。

またポルシェは2018年3月開催のスイス・ジュネーブモーターショーで、ミッションEのクロスオーバーコンセプト「ミッションE クロスツーリスモ」を公開。ポルシェEVの新たな可能性を示していた。

「ミッションE」の0-100km/h加速は3.5秒だという(写真提供:ポルシェ)
ポルシェ「919ハイブリッド」(写真提供:ポルシェ)

「パナメーラ」「マカン」「カイエン」の電動化を推進か

全世界では2025年までにラインアップの50%を電動化する目標を掲げるポルシェだが、日本ではEVとプラグインハイブリッド(PHEV)を合わせた販売比率を2020年に2桁に、2022年に40%以上にするのが、今年1月時点での目標値だ。

安定したシェアでポルシェを支えるスポーツカー「911」「718ボクスター」「718ケイマン」の3台には現時点では電動化モデルはない。だが、昨今の同社の販売数拡大を担うのは、4ドアクーペの「パナメーラ」とSUVの「カイエン」「マカン」の3台だ。

すでに新型パナメーラのPHEV比率は従来モデルの約2倍となる全体の30%を占めるなど、電動パワートレイン車の人気は上昇。7月21日に日本で発売される3代目カイエンは、ガソリン車から販売をスタートするが、現行型同様に本国ではすでにPHEVモデルが設定されており、近い将来に導入される見込みだ。マカンにも将来的には、PHEVが登場すると見られており、今後はこの3車種の電動化モデルを推進して目標を達成していくのではないだろうか。

ポルシェ ジャパンの七五三木敏幸社長。記者会見ではフルモデルチェンジした3代目「カイエン」を2018年7月21日に発売することも発表した(写真:大音安弘)
3代目「カイエン」にも、現行型同様にPHEVモデルが導入される見込み

欧州ではパナメーラのPHEV比率がすでに60%にも達しているという。この背景には、ユーザーの環境意識への高まりだけでなく、欧州各国で電動化モデルの導入を推進するインセンティブや、優遇税制なども効果を上げていると思われる。ただ完全な電動車であるEVは、「コストが高い」という課題があるため、各社ともEVを投入しつつも、当面はPHEVを主役に推進することは間違いない。ポルシェの電動化モデルもPHEVを軸に広がっていきそうだ。

(ライター 大音安弘)

[日経トレンディネット 2018年6月4日付の記事を再構成]

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