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車いすで2020ゴール! 国内初、パラ専用の練習施設 床面に特殊なワックス加工、傷つきにくく

2018/6/13

アリーナ部分の床面積は2000平方メートルあり、車いすバスケットのコートが3面とれる(東京都品川区)=共同

公益財団法人の日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は6月1日、2020年東京パラリンピックを目指すパラアスリート専用の体育館を東京都品川区に開いた。車いすでプレーしても傷つきにくい床、体温調節がしにくい人向けに夏でもセ氏18度を維持できる冷房など、きめ細かな環境が整っている。国内で最先端のパラ練習施設を動画とともに紹介する。

体育館の名称は「日本財団パラアリーナ」。アリーナ部分の床面積は約2000平方メートルで、車いすバスケットボールや同ラグビーのコートがそれぞれ3面、ボッチャが8面、シッティングバレーボールが2面、ゴールボールが1面、ブラインドサッカーが1面とれる。ほかにベンチプレスなどを備えた約120平方メートルのトレーニングルームや医務室を備える。パラリンピック日本代表の合宿にも使える。建設費は約8億円だ。

パラのトップアスリート専用の練習施設は国内で初めて。国としても19年6月、五輪・パラのトップアスリート向けの練習施設「味の素ナショナルトレーニングセンター」(東京・北)の一角に、パラアスリートが優先的に使える新棟を開く予定で、20年東京パラに向けた練習環境が急ピッチで整う。

■シャワーも座ったままで

体温調整が難しい選手に配慮し、壁面に大型空調設備を8台設置した

パラアリーナと通常の体育館の違いは、コートがあるアリーナに足を踏み入れればすぐに分かる。肌寒く感じるのだ。パラサポ推進戦略部プロジェクトリーダーの金子知史氏は「頸椎(けいつい)損傷の選手は汗をかくことができず、体温調節が難しいため、アリーナは強い冷房能力を備えている」と説明する。

壁面に並んだ8台の空調設備が、室内の空気を取り込み、冷やしたうえで吐き出す。ダクトを通じて外気を取り込む通常の体育館に比べると単純な仕組みで音もうるさいが、「時間をかけずに効率よく冷やせる」という。

パラアリーナならではのノウハウが詰まっているのが床材だ。まずワックスを浸透させた後、いったん抜く。浸透させたままだと内部が堅くなりすぎるため、あえて空洞を作り出すという。そのうえで表面にワックスをもう一回塗る。こうすることでワックスの厚みが増し、はがれにくくなる。

ワックスに守られた床材は水分を吸収しにくく、湿気による膨張で床面に凹凸ができにくい。そのため車いすの転倒などで強い衝撃を受けても、床がささくれたり傷ついたりしないという。ワックスに合わせた専用のクリーナーも用意。弱い力で簡単に汚れを落とせるようにした。

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