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謎の日本食「ラーメンクレープ」 カナダで人気沸騰

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NIKKEI STYLE

今、カナダである日本食が話題沸騰中なのをご存じだろうか。

ラーメンとクレープが合体したような、通称「ラーメンクレープ」。東京・原宿などでよく見かける円すい形のクレープなのだが、生地は真っ黒。そして真上から見るとまさにラーメンの世界観。ノリ、コーン、チャーシュー、ネギ、そして麺まで入っており、ラーメンそのものの見た目なのだ。

日系企業KUURAKU GROUPのカナダ法人Valuce Hospitality's Ltdが仕掛けるクレープ専門店「J crepe」では、普通の甘いクレープのほかに、食事系クレープとしてラーメンクレープ「Ramen Raijin」を提供している。

価格は10.50カナダドル(約871円)と日本のクレープ相場と比べるとやや高めで、現地のクレープ相場の2倍くらいにもなるらしいのだが、それにもかかわらず、売り上げの半分はこのラーメンクレープが占める人気。週末になると家族連れなども訪れ、ウエーティングでお客が外にあふれ出すこともあるのだ。

味はどうなのか、ラーメン味が再現されているのか‐‐。さっそく、バンクーバーにある同店に行った。食べてみると、まず香りからして本格ラーメン。そして麺が温かい。ほどよく塩味が効いていて、ラーメンスープを固めたようなプルプルのジェルが具材を包み込み、うま味が広がると、口の中は見事にラーメンになる。これは新感覚だ。麺は結構ボリュームもあり、ほのかに甘い生地まで食べ尽くすと、軽い満腹感も得られた。

チャイナタウンが近くにある同店では、中華系などのローカル客にもこの「ラーメンクレープ」が支持されている。「ラーメンは大好き。いろいろ食べたことあるけれど、これは面白い!」「ラーメンが進化してるわ。かわいい!お見事!」と興味津々で来店しているという。提供し始めてからまだ半年なのだが、現地の口コミサイトやSNS(交流サイト)などに投稿され、瞬く間に拡散されている。

同社は日本国内では焼鳥店などを19店舗、海外ではカナダ、オーストラリア、インド、インドネシアなど5カ国で15店舗を展開している。カナダでは「J crepe」1店舗のほか、バンクーバーとトロントで、ラーメン店や焼鳥店を運営している。

ラーメンクレープを考案した同店のアシスタントマネージャー、小日向珠恵さんは、「もともと近くにある系列ラーメン店の仕込みや試作をやっていたこともあり、ラーメンに使っている具材をクレープに入れたら、ユニークなメニューができるのではないか……と作ってみたのです」と開発のきっかけを話す。

同店は繁華街から少し離れた場所に立地し、交通の便も決して良いとは言えない。小日向さんは、「何か集客のフックになるものが必要」と思い、現地の人気店などを視察したという。そこで見つけたのが、だんだんに積み上げられたアイスクリームにクッキーや綿あめを派手にのせた商品だった。またコーラ瓶を逆さまにしてドリンクの中に丸ごと豪快に入れたものも人気だったという。豆腐に甘いシロップをかけたデザートも話題になっていた。

「普通のメニューでは太刀打ちできない。味よりもパフォーマンス。エンターテインメント性が大事なのだ」と感じた小日向さんは、ラーメンクレープの見た目にもこだわり、真っ黒な生地にしたのだという。

デトックス効果もあるとされる竹炭の粉末を、卵や牛乳で作った生地に混ぜて、真っ黒い生地に。「SNSを活用して、わざわざ店に来店してくれるようなインパクトある商品が開発したかった。いまラーメンはカナダでも大ブーム。ラーメンを冠したクレープなら斬新だからヒットすると思った」と小日向さん。

ラーメンクレープは調理に4~5分かかる。麺は注文を見計らってゆでておき、しょうゆベースのラーメンのタレで下味をつけ、小分けにしておく。注文ごとに黒い生地を焼き、その間に麺を温め、ジュレ状のラーメンスープをかけて、ノリやチャーシューなどの具材を巻き込んで仕上げる。

ラーメンスープのジュレが温かい麺とからむと、ジュレが溶け出し、ラーメンを食べた時のようなジュージーな味わいになるというわけだ。その再現性の高さでもカナダ人の心をつかんでいる。

「麺を温めるのがポイント。冷たい麺でも試してみましたが、スープの脂分が固まっているとおいしくないですし、麺の舌触りもゴワゴワで良くなかったのです」と小日向さん。チャーシューもあぶりたてを使うことで、香りよく味わってもらう。

「日本ではクレープといえば、円すい形スタイルが一般的ですが、カナダ(海外)では、クレープはナイフとフォークで食べるもの。アイスクリームのように片手で食べられるフィンガーフードのクレープがとても珍しがられています」と小日向さん。しかもカナダでは、クレープといえば甘くない食事系が一般的だという。

ソバ粉入りのクレープ・ガレットのように、海外ではクレープといえば、ナイフとフォークで食べるもので、甘くないのが一般的。さらに現地でさまざまなクレープ店を食べ歩いた小日向さんによると、「温かいクレープが多い。熱々のクレープ生地にイチゴなどのフレッシュフルーツがトッピングされていると、フルーツまでも温かくなっている」のだとか。

日本人はフレッシュフルーツを冷やして味わうことが多いが、小日向さんは「温かいクレープが好まれる」という現地の嗜好性も考慮しながら、温かくて甘くないラーメンクレープを開発した。さらに近隣で焼鳥店も展開している同社では、海外では定番人気の照り焼きチキンを使ったクレープ「Teriyaki Chicken Mayo」(9カナダドル/ 約749円)も開発。こちらも「温かく甘くない」クレープで、ラーメンクレープに次いで2番目に人気の商品となっている。

クレープは全部で17種類。マンゴーやバナナ、ちょっと変わったものだとブリュレのクレープなど、甘いクレープもそろえているが、スイーツ系の中でも注目なのは、抹茶を生地に加えた緑色の抹茶クレープだ。抹茶生地にアイスやモチ、きなこ、黒糖ソースをかけて、和スイーツを強調している。抹茶クレープ以外はすべて黒い生地を使い、一般的な黄色の生地のクレープは一切提供していない。

それにしても、同社は国内では焼き鳥や居酒屋業態などを展開しているのだが、なぜ海外ではラーメン店やクレープ店なども展開するのか。

同社広報担当の斎藤光絵さんは、次のように説明する。「ラーメンは今、世界的にも大人気であり、運営の面では、焼鳥店よりもオペレーションが簡単で、狭いスペースでの提供も可能です。スピーディーに多店舗展開が可能だからです」。実際、スープなどは冷凍パッケージも可能なので、外国人スタッフのみで運営している海外店舗もあるという。

さらにクレープ店を手掛ける理由については、「もともとカナダの焼鳥店やラーメン店を統括していた社員が女性だったこともあり、女性に人気のクレープ店などを展開することで、女性社員の活躍の場を広げられるのでは、と思ったのです」と斎藤さん。

「J crepe」の客は現在、女6対男4という割合。女性がメインというほどでもないが、ラーメンクレープを味わう客に、「店内にフォークもあるので、一口で食べにくかったっら、フォークも使ってくださいね」ときめ細やかなサービスができているのは、女性ならではなのかもしれない。同社の海外店舗のキッチンでは、小日向さん以外にも女性社員が数人活躍しており、以前より女性社員が増えてきているという。

国境を超えても、それぞれの地で、さまざまな人材を生かしながら、現地ニーズに対応しながら柔軟に展開しているKUURAKU GROUP。ラーメンクレープで大ヒットを仕掛けた小日向さんは、「今後は旬の食材も使って、これまでのようにカラーで訴求するやり方で、季節商品なども提供して行きたい」と意気込んでいる。

(GreenCreate)

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