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老後破産「貯金簿」で防ぐ 節約・運用で資産長生き 自宅の修繕費など特別支出にも備え

2018/6/17

写真はイメージ=PIXTA

 日本人の平均寿命は延び続け、今や男性の4人に1人、女性の半分が90歳まで生きる。100歳以上の人口が2050年には9倍近くに増えるとの予測もある。家計も長期の収支計画を立てないと貯蓄が底をつきかねない。重要なのは金融資産の残高を把握して定期的に増減を確認し、残高がゼロになるのを防ぐこと。多くの人が定年を迎える60歳からの家計管理術を専門家の助言を基にまとめた。

■100歳以上の人口、2050年に53万人

 「平均で月6万円もの赤字。ちゃんと収支を管理しないと貯蓄がなくなる」。埼玉県幸手市の主婦Aさん(70)の危機感は強い。夫婦で月々計27万円の年金収入があるが、最近数年間は夫の九州お遍路の旅費がかさんだ。330平方メートルの土地に戸建てを2棟保有しているため、家の維持・管理費や税負担も大きい。夫のお遍路の旅が一段落したのを機に家計簿を駆使して支出削減に励むつもりだ。

 国立社会保障・人口問題研究所などによると、日本の100歳以上の人口は2015年時点は約6万人だが、50年には約53万人に増える(図A)。仮に定年が60歳で100歳まで生きると、その間の収入は年金が中心で基本的に預貯金など金融資産を取り崩しながら生活することになる。

 そこで60~100歳の金融資産の残高がどのように推移し何歳で底をつくのか、ファイナンシャルプランナー(FP)の鈴木さや子氏に試算してもらった。

 試算は夫が厚生年金加入の専業主婦家庭で、夫が60歳時点の貯蓄残高を2400万円(総務省の家計調査報告の高齢無職世帯の推移を参考)としたうえで、2つのタイプの家庭を想定。60歳時点で子供が独立して住宅ローンも完済している「標準家計」と、子供の誕生が平均より10年遅く60歳時点で1000万円の住宅ローン残高と教育費負担が残る「晩産家計」だ。

 この2タイプにそれぞれ(1)「平均的支出」(2)支出が平均より約2割多い「支出多い」(3)金融資産を年率3%で運用する「運用」――の条件をつけ、計6種類の家庭で夫60歳、妻57歳から40年間の資産残高の推移を予測。平均的支出は総務省の家計調査の年代別消費支出の平均値を参考に例えば60代は月29万円、70代以降は23万5000円とした。

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