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広い土地の相続評価 減額率の縮小に注意

2018/6/12

写真はイメージ=PIXTA

東京都内の500平方メートルの土地をいずれ相続することになっています。最近、広い土地の相続税の評価のルールが変わったと聞いて気になっています。

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三大都市圏で500平方メートル以上、それ以外で千平方メートル以上の土地は2017年まで、一定条件を満たすと「広大地」とみなされ、相続税の評価をかなり下げることができた。

広大地とは、マンション用地に適さないため土地全体を有効利用できず、新しく道路を通すなどして一戸建ての区画を造成しなければならない土地のこと。道路などの分は宅地分譲できないのでその分、評価を下げられる。

都内の500平方メートルの広大地の場合、路線価による評価からの減額率は42.5%。路線価を1平方メートル当たり20万円とすると、広大地でなければ1億円だが、広大地になると5750万円に下げられたわけだ。

かつては専門家に宅地開発の想定図を作成してもらい、道路などに充てなければならない面積を計算して申告していたが、実務上の負担が重かった。そこで04年に土地全体の面積に応じて一定の計算式で評価の減額率を決めるルールに改正された。

ところが、この減額率が大きかったため広大地をわざわざ買って相続後にすぐに売るなどの節税対策が増えていた。こうした節税策を封じるため、18年から新ルールで広い土地を評価することになった。それが「地積規模の大きな宅地」だ。やはり相続税の評価額を下げられるが、減額率を広大地に比べて縮小した。都内の500平方メートルの減額率は20%にとどまる。

さらに、地積規模の大きな宅地は国税庁の路線価図で「中小工場地区」とされるエリアでは評価減が認められない。17年まで広大地とみなされていた土地は新ルールで相続税が重くなるケースが多いようだ。税理士の岡野雄志氏は「奥行きのある2千平方メートルを超えるような土地、中小工場地区の広い土地はかなりの増税になった」と指摘する。

一方、広大地ではなかった土地が地積規模の大きな宅地と認められ、事実上の減税になるケースもある。「マンション用地に適すか否か」を、土地の容積率で機械的に判定するようになったからだ。東京23区で容積率300%以上、それ以外で400%以上でなければ、マンションが建っていても評価減が認められる。

また、新たなルールの下でも、節税対策を講じることはできる。例えば三大都市圏で450平方メートルを自宅、隣地の50平方メートルを貸し駐車場にしている場合、駐車場をやめて自宅と一体の土地にすると、500平方メートルの地積規模の大きな宅地になり、20%の評価減を受けられることになる。

[日本経済新聞朝刊2018年6月9日付]

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