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同僚とランチ楽しめる? 転職で大事な社風の見極め方 20代から考える出世戦略(35)

2018/6/12

前職では多少仕事で悩むことがあってもすぐに誰にでも相談できたし、そもそも10年間一緒に過ごしてきた仲間たちばかりなので、誰が何を得意としているのかもよくわかっていました。そして結果を出さなかったからといって、すぐに給与に影響することもなかったのです。

しかし新しい環境では、一定レベルまでは一人でやり遂げることを求められました。頑張り度合いは認められず、結果としてクライアントに出せる資料になっているかどうか、ということだけを見られました。そしてそれらはすぐに給与に直結する、ということがわかっていました。

そうして彼の心は折れてしまったのです。

■実は社風の違いにはとてもシンプルに対応できる

Aさんは社風の違う会社に入ってしまったから失敗したのでしょうか。

総合的にはそう言えるかもしれませんが、じつはもっと単純な違いが彼の転職を失敗に導いていました。それは働くスタイルの違いに基づく、求められるスキルの違いです。

先ほどの社風の違いをもとに、求められるスキルにまで落とし込んだ図を示してみましょう。

単純に言えば、働くスタイルが対面型に属している場合、そこで求められるスキルは「社交性」であり「人と話すことを楽しめる性格」です。より詳細には、初対面の人と親しく話せるか、とか、親しくなった人たちと関係をつなげるかどうか、ということが大事だったりします。

しかし働くスタイルが孤独型に属する場合、それらのスキルはほとんど不要です。むしろ邪魔になることすらあります。誰とも話さない状態で1週間「仕事に没頭できる性格」だったり、他人の協力を得なくても「自分ひとりで最終成果品までつくりあげることのできる専門性」が求められたりします。

転職に際してこのような求められるスキルの変化に気づかないでいると、なぜ自分が成果を出せないのか、ということに答えを出せません。極めて単純な話で言えば、仕事仲間とランチに行くことが楽しい人は「対面型」だし、それが苦痛になる人は「孤独型」です。転職判断の際には、先方の会社のランチスタイルを聞いてみると、それが社風推測の助けになるかもしれません。

なお、同じ会社にいたとしても「孤独型」と「対面型」を行き来する場合はあります。 たとえば多くのコンサルティングングファームでは、若いスタッフのうちは「孤独型」で成果をだしつつ、出世するためには「対面型」のスキルを獲得することが求められます。「孤独型」のままだといつまでも経営層にはなれません。

一方、ライフサイクルの長いメーカーでも、経営層の一部には「孤独型」のスキルが求められたりします。たとえば業界が激変しているタイミングだと、経営層は経営上の答えを自分で示さなくてはいけません。誰かに聞いたり、合議で決めたりすることなどできないからです。

自分が今持っているスキルが「孤独型」なのか「対面型」なのか、洗い出してみても面白いのではないでしょうか。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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