WOMAN SMART

DUALプレミアム

犯罪前兆に6・3・2の法則 夏の子供守るパトロール

日経DUAL

2018/6/14

 パトロールはとにかく継続することが大切です。「そのためにはいつも緊張していては続きません。普段のパトロールはリラックスした気持ちで歩くなど緩急をつけてください」と清永さんは言います。

●怪しい人を見たときは
【声をかけるときは4m以上離れたところから】
・学校と自治体には必ず連絡を入れて情報を共有し、地域全体で怪しい人に目を光らせる
・怪しい人から少し離れたところで110番する
・暗闇にたたずみ、子どもをじっと見ている不審者がいたら、すぐ警察に知らせる
・バス停や駅のホーム、電車の中などで子どもをじっと見ている不審者がいたら、駅員や鉄道警察に知らせる
・緊急性がなくても気になるときは♯9110(生活の安全に関する不安等の警察の相談窓口)へ連絡を入れるとよい

 パトロール中に怪しい人がいたら『どうしたのですか』などと声をかけるようにします。ただし、近寄り過ぎてはダメ。人間のテリトリーである4mは離れておくと安心です。もっと近づく必要がある場合でも、大人の腕2本分(相手の身長×0.8)は離れておきます。
 相手が一歩前に出てこちらの腕をつかもうとしても、この距離なら届きません。怪しいなと思ったときはそれ以上、近寄らずに引き返し、少し離れた場所から安全を確保したうえで110番します。または近くの通行人に『怪しい人がいるのですが』と声をかけて、連携するようにしましょう。
 万が一、危険を感じたときは防犯ブザーを鳴らして相手に投げつけるのも身を守る手段です。
防犯教育の定番『いかのおすし』(「いかない、のらない、おおきなこえをだす、すぐにげる、しらせる」のかしら文字をとった防犯標語)も大切ですが、それだけでは足りないと、防犯教室では怪しい人の見分け方をオリジナルの標語にして子どもに伝えている

■瞬間ボランティアとして子どもと街に目を配る

 「共働きをしていると日中のパトロールは難しいかもしれません。でも、とっさの時に自然にお節介を焼く『瞬間ボランティア』という方法があります。通勤途中や学童・保育園の送迎時、買い物の行き帰りなどに、街に変わったことが起きていないか、アンテナを立ててみてください。困っていそうな子、遅い時間に街を歩いている子がいたらちょっと声をかける。怪しい人がいたら、安全な距離を確保したうえで、二度見するだけでも、効果はあります」と清永さん。

 「もしも気になることがあれば、地域やPTAで共有しましょう。緊急性があると思ったら110番、そこまでではないかもと思ったら地域の警察署や♯9110番(生活の安全に関する不安等の警察の相談窓口)に連絡するとよいでしょう」と清永さん。

 実は清永さんの身近でもこの瞬間ボランティアで、連れ去り事件を防ぐことができたことがあったのだそう。

 「コンビニへ行く途中の女の子が車に乗った男性に声をかけられ、連れ込まれそうになるという事案がありました。近くにいた近所の人が不審に思い、女の子に『その人、知り合い?』と声をかけたところ、男性は車に乗り込んで、そのまま走り去り、事なきを得たのです。まさに瞬間ボランティアのナイスプレーでした」と話す。

 この話にはさらに続きがあります。「女の子から話を聞いた保護者は警察に通報したのですが、女の子はこの不審者の靴の色を見ていました。その靴の色が手掛かりとなり、不審者を特定することができたのです。被害を知ったらすぐに通報する、子どもから情報を聞き出すことも大切です」という。

 瞬間ボランティアの場合も、見るべきポイントは安全パトロールと同じです。「夕方から夜の場合は、学童クラブや塾帰りの子が外にいる時間です。自分の子でなくても、一人で歩いている子がいたら、よく注意してあげてください」と清永さん。

 「PTAがパトロールを行う一番のメリットは、地域の中でそれを次の世代に引き継いでいけることです。子どもたちが学校を卒業した後も、ぜひ、瞬間ボランティアとして地域に目を配ってあげてください。それが地域全体を犯罪から守ることにつながっていくでしょう」と清永さんは強調する。

●困っている子、困っていることに陥りそうな子には
・一人で歩いている子がいたら、「気を付けて帰ってね」とひと声かける
・その子の姿が見えなくなるまで目を掛け、見守る
・怪しい人にじっと見つめられている子がいたら「気を付けてね」と声をかける
・怪しい人物がいなくなるまで子どもを見守る
清永奈穂
 ステップ総合研究所所長・NPO法人体験型安全教育支援機構代表理事。元警察庁科学警察研究所犯罪予防研究室長でステップ総合研究所特別顧問の清永賢二氏と共に、犯罪やいじめ、災害からどうやって命を守るかを研究している。子どもが犯罪に巻き込まれた現場に足を運び、元犯罪者に話を聞くなどして犯罪がどのように起きたか、どうしたら防げるかを科学的に検証し、全国で行う体験型安全教育に反映させている。海外の安全教育についても詳しい。家庭では一男一女の母。著書に『犯罪からの子どもの安全を科学する―「安全基礎体力」づくりをめざして』(共著・ミネルヴァ書房)など。

(ライター 小山まゆみ、構成 福本千秋=日経DUAL編集部、撮影 花井智子)

[日経DUAL 2018年5月9日付記事を再構成]

WOMAN SMART 新着記事

おすすめの連載
ライフスタイル
日々の暮らしの悩みを解決
ビューティー
忙しくても美しい人の秘密
マネー
お金と賢くつきあいたい
オトナのスキルアップ入門
仕事技、いつもレベルアップ
キャリア
自分らしく働く人を応援
DUALプレミアム
働くママ&パパに役立つ
ALL CHANNEL