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体臭チェッカーで臭いの成分をチェック

体臭の問題は、自分では自分の体臭が分からないということ。他人から「気にするな」と言われても、「慰められているのではないか」「臭っているのに、臭っていないと言っているのではないか」と不安になるのです。

五味常明医師

ひどい臭いを放っている場合、家庭や職場で指摘されそうな気もしますが、実際、妻であってもはっきりと言ってくれる人は少数派だったり、職場でも人間関係を気にして言えなくて困っていたりします。

さらに言えば、臭いは慣れてきます。例えば電車に乗って、最初はムッとした臭いがしても、しばらく乗っているうちに臭いに慣れて感じなくなったりすることがあります。また、ペットを飼っている方は、ペットのおしっこの臭いを絶えず嗅いでいるので、ペットが放つ独特の臭いが分からなくなるということもあります。

嗅覚は曖昧な感覚なので、どこからどこまでが臭っているのかを、はっきりと区別できないのです。

そこで、自分の臭いを判断するには、体臭の専門医の診断を受けるか、もしくは体臭を測定する機器を使う方法があります。例えば、コニカミノルタの体臭チェッカー「Kunkun body(クンクン ボディ)」を使えば、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭といった体臭を数値化してくれます。

体臭は、内臓疾患や生活習慣病が原因で臭うこともあるので、体臭測定器は、体重計ならぬ「体臭計」として日々の健康チェックにも活用できます。

ちなみに、ワキガは臭い以外でチェックすることが可能です。強いワキガ体質の場合、耳垢が必ず湿っているのです。もしあなたの耳垢がネバネバとしているのなら、ワキガを疑ってみてください。

ワキガは完全に治せる

さて、次は気のせいではなく、実際に臭っている方の体臭対策をご説明します。

まずは、体臭の種類を知っておきましょう。一口に体臭と言っても、臭う場所や原因は様々あり、それぞれ対策が異なるためです。

まず、体臭には、「汗腺」から出る臭いと、「皮脂腺」から出る臭いがあります。汗腺は体温調節をするために汗を出す部分で、皮脂腺は皮膚に潤いを与えるための皮脂を出す部分です。

そして、汗が原因の臭いには「ミドル脂臭」と「ワキガ」「疲労臭」などがあり、皮脂から放たれる臭いには「加齢臭」などがあります。

少し専門的な話になりますが、汗にはエクリン腺からの汗と、アポクリン腺からの汗があり、エクリン腺からの臭いが全身の汗の臭いで、こちらは「ミドル脂臭」の原因になります。そして、アポクリン腺からの臭いは、ほとんどが脇。これは「ワキガ」と呼ばれています。

この中で、確実に治せるのがワキガです。原因がはっきりしているので、手術でアポクリン腺を取り除けば臭いがなくなるのです。ちなみにアポクリン腺が多いか少ないかは、体質で決まっています。これは遺伝的な場合も多いです。

そして臭いを消すのが難しいのは、ミドル脂臭、疲労臭、加齢臭。これは複数の要因が合わさっているので対策が難しいのです。特に30~40代の働く男性が注意すべき体臭には「ミドル脂臭」と「疲労臭」があります。

●ポイント1
・汗腺から出る体臭は「ミドル脂臭」「ワキガ」「疲労臭」
・皮脂腺から出る体臭は「加齢臭」
・パパが特に注意すべきなのは「ミドル脂臭」「疲労臭」

「ミドル脂臭」は女性に強烈な不快感与える

ミドル脂臭は、別名「つわり臭」と呼ばれ、女性に強烈な不快感を与えます。ミドル脂臭の原因物質は「ジアセチル」。2013年に化粧品メーカーのマンダムが発表し、知られるようになりました。汗に含まれる疲労物質「乳酸」が、皮膚のうえで分解されてジアセチルになります。もし、汗がサラサラのきれいな汗であれば臭いを放つことはないのですが、ベタベタとした汗の場合、皮膚にとどまり分解され、臭うようになるのです。

「それなら、汗をかかないようにすればいいのでは?」と考えてしまいがちですが、汗が出る汗腺は使わなければ衰えてしまいます。運動不足や、エアコン漬けで汗をかかない生活をしていると、サラサラの良い汗がかけなくなってしまうのです。また、ジアセチルのもととなる乳酸は疲れがたまっているときに出る物質。エアコンの効いたオフィスで、ずっとパソコンに向かっている働き詰めのビジネスパーソンは要注意というわけです。

対策は、スポーツなどで日頃からよく汗をかくようにすればいいのですが、子育て中はなかなか難しいですよね。その場合、しっかりとお風呂に入るのが効果的です。風呂で汗を流し、湯船につかれば乳酸も流れ出ていきます。そのとき、湯上がりにクエン酸を摂取すると汗腺機能も高まるので、より効果的です。クエン酸は、リンゴ酢や黒酢などのお酢や、みかんやグレープフルーツなどの柑橘類に含まれています。

●ポイント2
・「ミドル脂臭」はベタベタ汗が原因
・運動や湯船につかることで汗腺機能を鍛え、サラサラの汗に
・汗腺機能を高めるクエン酸は、お酢や柑橘類で摂取
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「疲労臭」は、しじみの味噌汁でやっつけろ