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中央アジアの旧ソ連諸国のひとつ、ウズベキスタン。訪れる日本人観光客は、まださほど多くない=PIXTA

中央アジアの旧ソ連諸国のひとつ、ウズベキスタン。訪れる日本人観光客は、まださほど多くない=PIXTA

エイチ・アイ・エス(HIS)会長兼社長の沢田秀雄氏は現在、会社を離れて海外へ「一人旅」に出ています。3月中旬から数カ月かけてアジアや欧州などを回り、各地のHISの拠点や観光地、レジャー施設などを視察します。HISやハウステンボス(長崎県佐世保市)などの仕事が多忙なのにもかかわらず、長期出張する背景には、顧客第一主義を貫いてきた沢田氏なりの考えがあるようです。出発前に話を聞きました。

◇  ◇  ◇

お客様目線というのはビジネスの「基本のき」ですね。もちろん社員は大事にしなければなりませんが、お客様が何を欲しているか、常にアンテナを張っておかないと、企業の競争力はすぐに低下していきます。

ハウステンボスでも、いつもお客様にアンケートをとって店舗やイベントの満足度を調べています。5点満点の点数制で、3.5未満はサービスを打ち切った方がいいレベル、3.5から4.0未満は改良しなければならないレベル、4.0から4.5未満はまあまあできるレベル、4.5以上はすごく人気があるレベルです。

お客様の評価を経営陣も現場スタッフもきちんと把握して対応していく体制にしています。全てはお客様ファーストで考えるべきだと僕は思います。注意しなければならないのは、お客様も徐々に変わることです。時代が変われば、お客様の嗜好も変わっていきます。

トップにこそ、顧客目線が大事

僕が旅行に出るのは、HISの社長に返り咲いたからともいえます。海外旅行の今を知らなければ、ビジネスができないと思うからです。一人の旅行者という視点で3~5カ月、海外を回る予定です。僕が日本にいない間は、経営は下の者に任せます。

十数年前にも、3カ月ほど海外に旅行に出たことがあります。あの時も外に出て、いろいろなことが分かりました。自分では満足いく出来だと思っていたHISのホテル予約が、アフリカではうまくいかなかったことがあります。現地でホテルを検索しても、ほとんど何も出てこなかったのです。旅行して、自分で使ってみて初めて分かった。自分が旅をしていないと、徐々に世の中が分からなくなってきますね。それは、自分目線で仕事をし始めるから起こるのです。お客様目線でやっているつもりが、次第に会社目線、自分目線になって、お客様から離れてしまうのです。

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