マネー研究所

マネートレンド

パソコン残して死ねますか? デジタル遺品で家族困惑 終活見聞録(14)

2018/6/15

デジタルの情報をきちんと伝えておきたい

元気なうちに終末期や死後について考えて備える「終活」で、ここ数年新たな問題として浮上してきたのが、パソコンやスマートフォン(スマホ)といった機器の中にある「デジタル遺品」だ。残された家族らが中身を知らず、取り出すのも難しいケースがある。シニア世代でもデジタル機器の利用者は増えており、事前の対策が欠かせない。そんな「デジタル終活」も基本は通常の遺品と一緒。後を託す人にきちんと伝えたり、書き残したりするアナログな手段が主流になる。

■「ロック解除してほしい」相談相次ぐ

「父が他界した。葬儀の案内をするのに父の知人の連絡先を知りたい。思い出の写真も取り出して葬儀で使いたい」

「経営者だった父のスマホに多数のデータが入っている。業務に支障が出ており、早急にデータが必要だ」

「自殺した兄が職場でパワハラを受けていた可能性がある。証拠集めのために携帯電話のロックを解除してほしい」

これらは3月に東京都内で開かれた「デジタル遺品を考えるシンポジウム」で報告された相談事例の数々だ。シンポには40人ほどが参加した。発表したのはデジタルデータソリューション(東京・中央)の熊谷聖司社長。データの復旧などを手掛ける同社は2017年9月からデジタル遺品専門のサービスを始め、6カ月間で81件の相談が寄せられた。遺族らの求めに応じてパスワードの解除や様々なデータを復旧・消去したりする。相談者は30~50代が多かったが、「年配者にはサービスが行き届いていない。デジタル遺品の認知度を高めて、妻や子、家族らにきちんと引き継げる社会をつくる必要がある」と続けた。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL